石井岳龍監督の最新作『箱男』がNetflixで独占配信されることが決定した。配信開始は2025年1月17日からだ。
同作は安部公房の1973年発表の小説を原作としている。幻想的な手法と難解な内容のため、映像化が困難とされてきた作品だ。石井監督は27年前に一度企画したものの頓挫。今回、安部公房生誕100年にあたる2024年に、ついに実現にこぎつけた。
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主演は27年前と同じく永瀬正敏が務める。共演には浅野忠信、佐藤浩市、白本彩奈ら実力派俳優が名を連ねた。
『箱男』は、ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し一方的に世界を窺き見る「箱男」の物語だ。カメラマンの「わたし」(永瀬)が箱男に心を奪われ、自らも箱男になろうとする。しかし、その道のりは険しく、様々な試練と危険が待ち受けている。
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本作は第74回ベルリン国際映画祭にてワールドプレミア上映され、映画祭ディレクターから「今年一番クレイジーな映画」と評された。
石井監督は安部公房本人から直接映画化を託された経緯がある。「娯楽にしてくれ」という要望のもと、27年の時を経て遂に完成にこぎつけた。
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Netflix独占配信により、世界190以上の国や地域で2億8300万人以上の有料会員が本作を楽しめることになる。日本が世界に誇る小説家・安部公房の代表作が、どのような映像作品として生まれ変わるのか。石井岳龍監督の手腕に注目が集まっている。