セウォル号沈没事故の追悼曲でデビューした韓国歌手TANYさん(本名キム・ジンソン)がこの世を去って、7年となる。
TANYさんは2018年4月14日2時30分頃、高速道路を走行中に構造物に衝突。車両が全焼する事故により、22歳という若さで帰らぬ人となった。あまりにも早すぎる死に、韓国の音楽界には深い悲しみが広がった。
所属事務所であるH.O.Mカンパニー関係者は当時、本サイト提携メディア『OSEN』に「TANYさんは1月にシングルをリリースしたあと、しばらく休養を取っていました。今年下半期にはアルバムを出す予定で、音楽活動の再開を控えたタイミングで家族のもとを訪ねていた最中の出来事でした」と語っていた。
カムバック直前のタイミングで起きたこの悲劇は、家族に大きな衝撃を与えたのはもちろん、事務所関係者や友人たちにも深い悲しみを残した。訃報が報じられたあと、同世代のアーティストやファンたちは、短い生涯を閉じたTANYさんに対する追悼の意を次々と寄せた。

TANYさんが歌手としてデビューしたのは2016年12月。デビュー曲『Always Remember』は、セウォル号事故の犠牲者を追悼するために制作された楽曲だった。その後、就職難に直面する若者たちの苦悩を描いた2枚目のシングル『Tomorrow-A Better Day』を発表した。
表立った活動は多くなかったが、TANYさんが発表した楽曲は、社会的なテーマを真摯に扱っていたこともあり、リスナーの心に強い印象を残した。温かみのある落ち着いた歌声で、“現代を癒す歌手”と呼ばれることもあったTANYさん。彼自身も生前、「世の中の悲しみを癒せる歌を歌いたい」と語っていたという。
その志半ばで散った一輪の花。TANYさんが遺した歌は、7年が経った今も、多くの人々の心に静かに響いている。
(記事提供=OSEN)
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