樋口真嗣監督「歴史に残るくらいの過酷な撮影」 草彅剛主演『新幹線大爆破』の裏話を明かす | RBB TODAY

樋口真嗣監督「歴史に残るくらいの過酷な撮影」 草彅剛主演『新幹線大爆破』の裏話を明かす

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 4月21日、Netflix映画『新幹線大爆破』の発車記念イベントがTODA HALL CONFERENCE TOKYOで開催。草彅剛、細田佳央太、のん、要潤、斎藤工、樋口真嗣監督が登壇した。

 同作は、1975年に公開された同名映画の“リブート”作品。時速100kmを下回ると爆発する爆弾が仕掛けられた新幹線・はやぶさ60号を舞台に、極限状態の中で乗務員や乗客、そして鉄道関係者、政府、警察、国民までもが巻き込まれる攻防を描く。

 イベント冒頭、主人公・高市を演じた草彅は「難しいことを考えずに観ていただければ、その迫力は伝わるはずです。今の自分では出せないような力を込めた作品なので、何かしら感じてもらえると思います」と作品の迫力について言及。そして「原作では高倉健さんが主演を務められていて、健さんにはすごくお世話になったので、大きな縁を感じています。原作では車掌はあまり登場しなかったのですが、今回はもし本当に事件が起きたら一番大変なのは車掌かもしれない、という視点に監督が着目し、リメイクではなくリブートとして再構築された作品になったと思います」と語った。

 草彅の演技を間近で見ていた若手車掌・藤井役の細田は、「本当にニュートラルで、どれだけ長時間の撮影でも、体力的にしんどくても、辛い顔を見せない。現場全体を明るくしてくれる存在でした」と絶賛。それに対して草彅が「優しくしたことは自分に返ってくるというマインドでやってます。でも一番優しいのは監督じゃないですか?」と振ると、樋口監督は「今回一番みんなをひどい目に遭わせてますから」と即答。草彅も「監督の真骨頂が現れてるから大変なんですよ」と返した。

 また、女性運転士・松本を演じたのんは「最初は孤独な撮影で、運転席のセットの中でずっと撮っていたんです。原作では千葉真一さんが演じられていた役を私が演じることになって、最初は驚きましたが、とても嬉しかったです」と撮影を振り返った。そんなキャストに対して、樋口監督は「皆さんいろんな作品に出られていて、この人と仕事したいな、したことある人とはもう一回したいなと思ってオファーしました。でも私だけがいいと思ってもダメで、恋愛みたいに相思相愛じゃないと進まない。皆さんの人生の一部分を私にください、という気持ちでお願いしました。本当にありがとうございます」と熱く語り、会場からは温かな拍手が送られた。

 列車の外から全体を見守る総括指令長・笠置を演じた斎藤は、「こういった場所(新幹線総合指令所)が実際に存在し、目には見えないところで普段のインフラを支えてくださっている方々がいるということを痛感しました」と述べ、また現場の空気について「日本中のミドルエイジのおじさまたちが大集合した現場で、最終的に一つの大きなおじさんになるんじゃないかっていう、なんとも言えない空気感がありました」とユーモアたっぷりに振り返った。

 一方、起業家YouTuber・等々力を演じた要は「社会が生み出した人物で、掴みどころのないキャラクター。事件にたまたま巻き込まれた成功者が極限状況に置かれたとき、どう振る舞うのかに興味があって、楽しみながら演じました」と役作りを語った。キャラクターには監督のアイデアによる“決め台詞”も用意されていたそうで、「監督の要望がすべて詰まったキャラクターです」と紹介し、会場の笑いを誘った。

 なお同作の撮影はJR東日本の特別協力のもと、E5系新幹線を上野~新青森間で計7往復運転して行われたとのこと。樋口監督は「スタッフもキャストも全員めちゃくちゃ大変で、歴史に残るくらいの過酷な撮影だったと思います。でも、自分にとっては、朝が来るのが楽しみなくらい楽しくて、正直降りたくないくらいでした」と充実感を語り、草彅も「1日12時間くらい、始発で出発して夕方に戻る日々を繰り返していました。限られた時間での撮影は大変でしたが、監督がいろんな新しい人生の経験をさせてくれました」と感謝を述べた。そしてのんも、「運転席に入らせていただいて、すごくテンションが上がりました。以前からはやぶさにはよく乗っていたので、今回の撮影はとても嬉しかったです」と笑顔を見せた。

 最後に樋口監督は、「50年前にこの映画と出会って憧れていました。それを自分が作らせていただけるというのは、本当に願ってもないチャンスでした。そして、ここに集まった皆さんは、僕の50年の中で見つけた最高の宝物だと思っています。この人たちと映画を作ることができて、こんなに幸せなことはありません。原作を作った先輩たちにも、心から敬意を表したいです。本当にありがとうございます」と締めくくりのコメントを口にした。

 またイベントが終了に差し掛かったその時、開演前の車掌風アナウンスを担当していた中川家がサプライズ登場。YouTube生配信ではMCも務めていたことから、「もうこの時間内では語れないですけど、YouTubeの方で語ってますんで、そちらを是非お楽しみに!」と、アーカイブとあわせて作品を楽しんでほしいと呼びかけた。

 そして草彅が本物の車掌さながらに「出発進行!」と力強く発声すると、会場は興奮と拍手に包まれ、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

《ハララ書房》

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