韓国テレビ局SBSのカン・ギョンユン記者が、俳優キム・スヒョンの未成年交際疑惑を発信し続けるYouTubeチャンネル「カロセロ研究所」のキム・セウィ代表を告訴した。
カン・ギョンユン記者は5月8日、自身のブログを通じて「キム・セウィを告訴してきた」とし、「できるだけ迅速に捜査を進めてほしいと、心からお願いしてきた」と明かした。
続けて「キム・セウィ代表があのような記者会見を開くとは思わなかった」とし、「メディアを通じて、ディープラーニングやディープフェイクの危険性については見聞きしていたが、それが自分の身に起きるとは思わなかった」と述べた。
これに先立ち、カロセロ研究所側は5月7日、ソウルで記者会見を開き、「(故キム・セロンさんの)遺族側は、キム・セロンが未成年だった中学2年の冬休みの時期から、キム・スヒョンが故人にわいせつな行為したり、セクハラなどの性的虐待を行ったりしたと確認した」と主張し、キム・スヒョンを「児童福祉法違反で告訴した」と明らかにした。

その過程でキム・セウィ代表は、「カン・ギョンユン記者がニュージャージーの情報提供者の自宅を訪れ、恐怖を与えた」と主張した。
これに対してカン・ギョンジュン記者は、自身の出入国記録を公開し、「私はアメリカ・ニュージャージーに一度も足を踏み入れたことがない。情報提供者が怪しかったので、通話すらしたことがない」と反論した。
また、「ニュージャージーの情報提供者」について、「私にとってもこの情報提供者は見覚えのある人物だった。というのも、この情報提供者という詐欺師は、4月初めに私にも連絡を取ってきた人物だからだ」とし、「このようなタイプの通報者――金銭を狙い、正体の不確かな人間は一切信用していない。だから無視した」と説明した。

問題となっているキム・セロンさんの音声を収めたという録音ファイルについても、「誰が聞いても、故人の声をAIで模倣し、都合よく捏造したものだった」とし、「故人のディープラーニング音声は、細かく分析するまでもなく虚偽だ」と述べた。
カン・ギョンジュン記者は今回の告訴について、「単に私自身の名誉を守るためというだけでなく、この地獄のような混乱が一刻も早く終わることを願ってのことだ」とし、「警察の捜査がどうか迅速に進むよう願っている」と付け加えた。
なお、キム・スヒョンの誕生日でもある去る2月16日、女優のキム・セロンさんがソウルの自宅で死亡しているのが発見された。遺族は葬儀を終えた後、カロセロ研究所を通じて、故人が15歳のときからキム・スヒョンと6年間交際していたと主張した。
これに対しキム・スヒョン側は、故人が未成年であった当時に交際していた事実はないと否定。キム・セロンさんの遺族およびカロセロ研究所を相手取り、約120億ウォン(約12億円)相当の損害賠償訴訟を提起した。
◇キム・スヒョン プロフィール
1988年2月16日生まれ。2011年に放送されたペ・ヨンジュン企画のドラマ『ドリームハイ』(KBS)で一躍人気を集めた。日本でも大ヒットしたドラマ『星から来たあなた』で演技力が高く評価され、アジア各国で不動の人気を誇る。また、主演を務めた2024年の『涙の女王』が世界的なヒットとなり、韓流スターとしての地位を盤石にした。内向的な性格を心配した母親から演劇を勧められたことをきっかけに、俳優を志すようになった。
◇キム・セロンさん プロフィール
2000年7月31日生まれ。9歳から子役として活動を始め、スクリーンデビューとなった2009年公開の主演映画『冬の小鳥』では孤児院に捨てられた少女を熱演。カンヌ国際映画祭に韓国の役者史上最年少で招待された。2010年の『アジョシ』ではウォンビンと共演し、大韓民国映画大賞新人女優賞を最年少で受賞。2019年に韓国で放送されたドラマ『レバレッジ:詐欺操作団』では、凄腕の女泥棒役を見事に演じて魅力的な姿を披露した。2022年5月18日に免許取り消しレベルの泥酔状態で運転して事故を起こし、活動を自粛。2025年2月16日、24歳でこの世を去った。
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