突然この世を去った女優のキム・セロンさんが亡くなる約5カ月前、周囲に苦しみを訴えていたとみられる近況が、今になって明らかになった。
5月23日、ある韓国メディアは、キム・セロンさんが生前に非公開SNSアカウントに投稿したとされる内容の写真を報道した。
その投稿は、キム・セロンの死の約5カ月前にあたる2024年9月、午前2時ごろに投稿された24時間限定の「ストーリー」形式だった。これは、キム・セロンさんが親しい知人と交流していた非公開アカウントに上げたもので、当時の不安定な精神状態を示していた。
その投稿でキム・セロンさんは、自撮り写真とともに「私が死んだらこの投稿をキャプチャしてアップして」と述べた。続けて、経済的に助けてくれた芸能界の仲間たちの名前を挙げた。
また、「最もつらいときに私のもとを去った人たち、私から受け取ったものを思い出してみて」と、恨みのこもった心情を吐露していた。

特に注目を集めたのは、「飲酒検査をしたら数値は0だったし、血液検査では高く出たけど、それは前日のことだった。停電も一度もなかったし、それでも被害補償はすべてした。とにかく、私はもう苦しくはないだろう」と、過去の飲酒運転騒動についての無念さを綴った部分だった。
この意味深長な投稿を見た知人2人が、急いでキム・セロンさんの当時の自宅(ソウル城東区)を訪れた。投稿が掲載されてからわずか10分ほどのことだったという。事態は大事には至らず「ハプニング」として収束した。
しかし最終的に、俳優キム・スヒョンの誕生日でもある今年2月16日にキム・セロンさんが亡くなったことで、より一層の衝撃が広がっている。
報道によれば、キム・セロンさんは当時、アイドルグループのメンバー2人、歌手2人など芸能界の知人から、それぞれ約1億ウォン(約1000万円)ずつ借りて生活していたという。生前の所属事務所からも約6000万ウォン(約600万円)を借りていたことがわかっている。
一方で、キム・セロンさんの遺族はYouTubeチャンネル「カロセロ研究所」を通じて、キム・セロンさんが未成年だった時代から約6年間にわたり、キム・スヒョンと恋人関係だったと主張した。
また、キム・スヒョンが設立した彼女の元所属事務所ゴールドメダリスト側が、生前に内容証明を送り、損害賠償を圧力としてかけたとも主張している。

これに対し、キム・スヒョンおよびゴールドメダリスト側は、キム・セロンさんと過去に交際していたことは認めたものの、それは彼女が成人した後の約1年間に限られたものであり、内容証明は彼女の飲酒運転騒動によって発生したキャスティングや広告の違約金について、事務所が損失処理を行う際、最低限の法的手続きとして送付したもので、故人にも十分に説明していたと反論した。
そのうえで、キム・スヒョンとゴールドメダリスト側は、「カロセロ研究所」を虚偽事実による名誉毀損などの容疑で告訴した状態だ。
そうしたなか、キム・セロンさんの生前最後の出演作である映画『ギターマン』(原題)が5月30日に韓国公開を控えている。
しかし、故人の死後にグルーミング犯罪の被害疑惑が浮上していたにもかかわらず、事前のメディア試写会で公開された作品には、「おじさんのこと好きって、何が悪いんですか?」という彼女のセリフなどが含まれており、評論家たちからは批判の声が上がっている。
(記事提供=OSEN)
◇キム・セロンさん プロフィール
2000年7月31日生まれ。9歳から子役として活動を始め、スクリーンデビューとなった2009年公開の主演映画『冬の小鳥』では孤児院に捨てられた少女を熱演。カンヌ国際映画祭に韓国の役者史上最年少で招待された。2010年の『アジョシ』ではウォンビンと共演し、大韓民国映画大賞新人女優賞を最年少で受賞。2019年に韓国で放送されたドラマ『レバレッジ:詐欺操作団』では、凄腕の女泥棒役を見事に演じて魅力的な姿を披露した。2022年5月18日に免許取り消しレベルの泥酔状態で運転して事故を起こし、活動を自粛。2025年2月16日、24歳でこの世を去った。
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