日韓通算626本塁打で“韓国球界の英雄”と呼ばれたレジェンドが、成績不振の責任を取って監督を辞任した。
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斗山(トゥサン)ベアーズは6月2日、イ・スンヨプ監督が辞任の意思を表明し、球団も受け入れたことを発表した。翌3かのKIAタイガース戦からは、QC(クオリティ・コントロール)コーチとアシスタントコーチを兼任していたチョ・ソンファンが監督代行を務める。
成績不振に対するプレッシャーを抱えきれなかったか。2025年シーズンの斗山は開幕から極度の不振に陥り、58試合で23勝3分32敗、勝率0.418で10球団中9位に沈んでいる。エースのクァク・ビンやリリースのホン・ゴンヒなど、主力に負傷者が続出した影響も大きかった。
“ぶっつけ本番”で監督デビュー
現役時代はサムスン・ライオンズ、千葉ロッテマリーンズ、読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズで活躍し、日韓通算626本塁打を記録。韓国代表では2006年WBCベスト4や2008年北京五輪金メダルなどを経験し、「国民打者」「スンちゃん」などの愛称で日韓で親しまれた。
ただ、2017年限りで現役を引退した後、2023年シーズンより斗山の新監督に就任したのだが、イ・スンヨプ氏は「指導経験ゼロ」「コーチ歴ゼロ」での監督挑戦で注目を集めた。選手としては韓国球界屈指のスラッガーだったことは事実だが、指揮官としての手腕には懸念がついて回った。イ・スンヨプ氏がそれまで“野球チームの監督”を務めたことがあるのは、Netflixでも配信中のJTBC野球バラエティ番組『最強!野球団』だけ。「プロの監督は甘くない」という批判も出た。
それでも、監督デビューとなった初年度は球団を5位に導き、ポストシーズン進出に成功した。だがファンの期待値がそれ以上だったのか、シーズン最終戦では一部ファンがブーイングを飛ばす場面も見られ、指揮官本人も困惑を隠せなかった様子だった。
2年目の2024年シーズンは正規リーグを4位で終えたが、ワイルドカード決定戦でKTウィズに敗戦。KT正規リーグ5位だったため、史上初めて“下位球団のアップセット”を許す屈辱を味わった。
こうして迎えた3年目の今季は、巻き返しを期して例年以上に準備を重ねてシーズンに臨んだものの、期待は裏切られた。成績低迷に加えてチーム全体の調子も悪く、“監督辞任”という結末に至った。

シーズン前、パク・ジョングォンGMは「4位や5位を目指して野球をするつもりはない」と語っていたが、現実は違った。結局、斗山の“賭け”は失敗に終わってしまった。それでも、斗山関係者は「3シーズンの間、チームを引っ張ってくれたイ・スンヨプ監督の苦労に感謝する」と、2シーズン半指揮を執ったイ・スンヨプ監督に感謝を伝えた。
そのうえで、辞任の経緯については「イ・スンヨプ監督は今季の不振な成績に対する責任を負い、チームの雰囲気刷新のためこのような決定をくだした。球団は熟考の末、これを受け入れた」と説明している。