ロサンゼルス・ドジャースの韓国人内野手キム・ヘソンがまたもMLBで鮮烈な存在感を放った。彼が持つ“先発体質”に首脳陣は注目すべきだ。
キム・ヘソンは6月3日(日本時間)、本拠地ドジャー・スタジアムで行われたニューヨーク・メッツ戦に「9番・遊撃手」で先発出場。4打数2安打1盗塁の活躍でシーズン打率を0.420まで引き上げた。
2日前のニューヨーク・ヤンキース戦では4打数4安打1本塁打2打点と、圧巻のパフォーマンスでチームを勝利に導いたにもかかわらず、翌日の試合ではプラトーン・システムのあおりを受けて先発を外れたキム・ヘソン。しかしこの日、再び先発に名を連ねると、起用に応える活躍を見せた。
3回の1打席目は内野ゴロに倒れたキム・ヘソンだが、5回二死一塁の場面では鋭い打球を左前に運び、安打を記録。7回には左方向のライナーに打ち取られるも、9回の勝負所で再び光を放つ。
一死二塁で打席に立ったキム・ヘソンは、メッツのクローザー、エドウィン・ディアス相手に力強いゴロを放った。相手遊撃手フランシスコ・リンドーアはダイビングキャッチしたものの、内野安打を防ぐことはできなかった。
これで一、三塁とチャンスを広げると、後続の大谷翔平が左方向への犠牲フライを放ち、2-2の同点に追いついた。その後、キム・ヘソンは二死一塁から今季5個目の盗塁も決めた。

数字が証明する「先発体質」
キム・ヘソンは今季ここまで45打数21安打、打率0.420を記録している。ほとんどの成績が“先発出場時”に記録されたもので、代打や守備固めといった途中出場では存在感を発揮する機会すら与えられていない。
実戦は記録で語る。つまり、キム・ヘソンは明確な「先発向き」の選手であり、それをこの圧倒的な打率が裏づけている。
なお、この日の試合ではキム・ヘソンが2安打1盗塁、大谷が23号ソロホームランと両者ともに躍動したが、ドジャースは延長10回の末3-4と惜敗。10回に登板したタナー・スコットが2失点と痛恨の投球を見せた。
この敗戦でドジャースの成績は36勝24敗。ナ・リーグ西地区1位の座は依然キープしているが、2位サンディエゴ・パドレスとのゲーム差が1に縮まった。
◇キム・ヘソン プロフィール
1999年1月27日生まれ。韓国・京畿道出身。身長178cm。韓国のプロ野球選手。ロサンゼルス・ドジャース所属。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、2021~2024年の4年連続でゴールデングラブ賞(2021年は遊撃手部門、2022~2024年は二塁手部門)を受賞。2025年1月3日、ドジャースと3年総額1250万ドルで契約した。韓国代表では2021年東京五輪、2023年WBC、2023年杭州アジア大会、2023年アジアプロ野球チャンピオンシップなどに出場。登場曲は自身の名前「ヘソン」にちなんで、アニメ『BLEACH』のエンディング曲で知られる歌手ユンナの人気曲『ほうき星』韓国語版の『ヘソン(彗星)』。