ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で主人公の親友役を演じ、深い印象を残した女優チュ・ヒョニョンが交通事故に遭った。
6月5日、所属事務所AIMCの関係者は、本紙『スポーツソウル』に「チュ・ヒョニョンがスケジュール移動中に交通事故に遭った」と明らかにした。
関係者によると、チュ・ヒョニョンは6月4日、ドラマ『優しい女、プ・セミ!』(原題)の撮影に向かう途中で事故に遭ったという。関係者は「ケガは軽傷のレベルだ」としつつも、「休養と治療が必要だという医師の所見により、しばらくは回復に専念する予定」と説明した。

幸いにも軽傷で済んだ。だがこのニュースに、多くのファンがひやりとしたのは間違いない。なぜなら韓国芸能界における交通事故の記憶は、あまりにも重く、深く刻まれているからだ。
韓国スターと突然の別れ…最悪の交通事故
最悪の悲劇として今も語られるのは、2014年9月3日に発生した5人組ガールズグループ「LADIES' CODE(レディースコード)」の交通事故だろう。
2014年9月3日午前1時23分頃、ソウルに移動中だったLADIES' CODEメンバーが乗ったワゴン車が防護壁に突っ込む事故が発生した。彼女たちが乗った車は道路を走っている途中、後輪が抜けて雨道で滑り、数回転がって防護壁にぶつかった。
この事故でメンバーのウンビさんが事故現場で息を引き取った。まだ21歳だった。

さらに意識不明だったリセさんまで、4日後の9月7日にこの世を去った。リセさんは9時間以上の大手術を受けたが、意識を回復できなかった。享年23歳。

あまりに悲惨な交通事故と早すぎる突然の別れは、ファンのみならず、韓国社会に大きな衝撃を与えた。
残されたメンバーたちは1年6カ月間の治療やリハビリを経て、2016年2月に3人組で活動を再開。ウンビさんとリセさんを追悼するための楽曲『I'm Fine Thank You』をリリースするなど、2019年10月まで活動した。2020年2月に所属事務所との契約が満了したことで、LADIES' CODEは解散した。
LADIES' CODEの事故が発生した翌2015年には、女優キム・ファランさんが交通事故でこの世を去っている。

同年9月18日、夫が運転していたトラックに同乗しており、横転事故により亡くなった。夫のパク・サンウォン氏は負傷したものの一命をとりとめている。
パク氏は事故後、ある番組で、妻の保険金目的でわざと事故を起こしたのではないかという悪質コメントに苦しめられたと吐露したことがある。警察の調査の結果、事故は故意ではないことが判明したものの、裁判所は禁固4カ月、執行猶予1年を宣告。パク氏は控訴しなかった。
2017年には、俳優キム・ジュヒョクさんが交通事故で命を落とした。

同年10月30日、車を自身で運転していたキム・ジュヒョクさんは、しばらく止まったあとに車線を変えた際、前方の車に追突。続いて突然疾走し始めると付近のマンションの入口に突進し、転覆した。
キム・ジュヒョクさんは病院に運ばれたが意識がなく、心肺蘇生法を施されたが再び目を開けることはなかった。享年45歳。国立科学捜査研究員が解剖検査を実施したところ、死因は心筋梗塞ではなく頭部の損傷だと判断された。ただ、車両事故の原因は明確にはなっていない。
2019年にも交通事故で女優が亡くなる悲劇が発生した。ハン・ジソンさんだ。

ハン・ジソンさんは2019年5月6日未明、仁川(インチョン)国際空港高速道路の金浦(キンポ)空港インターチェンジ付近で自家用車から降りていた際、交通事故に遭いこの世を去った。享年28歳だった。
ハン・ジソンさんは事故に遭う2カ月前、3月9日に結婚式を挙げたばかりだった。当初、なぜハン・ジソンさんが車から降りたのか不明だったが、後に彼女の血中アルコール濃度が免許取り消し水準(0.10%)以上だったことが明らかになっている。
死亡交通事故の加害者になったスターも
被害者としての悲劇が注目されがちだが、その裏で、加害者として責任を問われた韓国スターも少なくない。
アナウンサー兼タレントのパク・シニョンは、2021年5月10日、ソウル麻浦(マポ)区の交差点で交通事故を起こした。彼女は黄色信号のうちに直進しようとしたが、赤信号の交差点に進入してきたバイクと衝突し、50代の配達労働者を死亡させた。

パク・シニョンは裁判で、「私のために家族を失った方々に申し訳ない。事故のあと、罪悪感を覚えて精神科にも通っており、後悔していてとても申し訳なく思っている。骨身に染みるほど後悔しており、反省し続けている」と涙ながらに訴えた。最終的に罰金1500万ウォン(約150万円)となった。
また、2024年には死亡事故を起こし、懲役8年となったスターも。インフルエンサー兼DJのイェソンだ。

彼女は同年2月3日、ソウル江南で、泥酔状態で運転して交通事故を起こし、逃走した。この事故により、50代のバイク配達員Aさんが病院に搬送されたものの、最終的に死亡。事故当時、DJイェソンの血中アルコール濃度は0.221%で、免許取り消しレベルだったことが明らかになっている。
DJイェソンは事故後、被害者を救護せず、同乗していた愛犬だけを抱きかかえているところを警察に逮捕され、非難を浴びた。
検察側は裁判で「泥酔状態で交通事故を起こし、死亡事故に至った。生命を奪う結果が生じたにもかかわらず、被害者に責任を転嫁するなど罪質が悪質」とし、懲役15年を求刑。最終的にDJイェソンが罪を認め、被害者との和解が成立した点が考慮され、懲役8年の刑が確定した。
交通事故は誰もが一瞬で被害者にも加害者にもなりうる危険をはらんでいる。だからこそ、これ以上の悲劇が繰り返されないことを心から願わずにはいられない。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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