名古屋生まれの“韓国のイチロー”が大谷翔平のチームメイトになるのか。ロサンゼルス・ドジャースがイ・ジョンフに注視しているとの報道が浮上し、韓国紙も関心を寄せている。
【写真】韓国で撮影された大谷翔平の妻・真美子さんソロSHOT
アメリカメディア「エッセンシャリー・スポーツ」は6月7日(日本時間)、「ドジャースがイ・ジョンフに注視している」と報じた。『ジ・アスレチック』ケン・ローゼンタール記者が伝えたニュースを引用したものだ。
イ・ジョンフは2024年よりメジャーリーグに挑戦。サンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(日本円=約163億円)という大型契約を結び、現地のファンから大きな注目を集めた。しかし、初年度は肩の負傷により早々にシーズンを終えた。

ただ、今シーズンは違う。ここまで不動の主力選手としてジャイアンツ打線を支えている。序盤の勢いと比べるとやや落ち着いたようにも見えるが、安定した打撃でチームのナ・リーグ西地区首位争いをけん引している。
今やイ・ジョンフの個人ファンクラブまで登場するほどで、アメリカ現地でも高い人気を集めていることがわかる。
ジャイアンツとは6年契約を結んでいるが、未来が変わる可能性は十分にある。2027年シーズン終了後には、オプトアウトを行使してFA(フリーエージェント)になることが可能だからだ。イ・ジョンフが良いパフォーマンスを維持できれば、再び市場に出ることも一つの手である。
キム・ヘソンとの“コンビ再結成”もある?
1998年8月20日生まれのイ・ジョンフは、2028年にも30歳を迎える。再び大型契約を勝ち取るチャンスはあり、ドジャースが新天地となる可能性も十分ある。
もし実現すれば、大谷翔平や山本由伸、佐々木朗希といった日本人選手はもちろん、韓国系アメリカ人のトミー・エドマン、さらにはキウム・ヒーローズ時代のチームメイトであるキム・ヘソンとの“再会”も叶う。
ただし、ドジャースで2人の再タッグが組まれるためには、キム・ヘソンも活躍を続けなければならない。
キム・ヘソンは2025年シーズン開幕前、ドジャースと3年総額1250万ドル(約17億円)の保証契約を締結した。同契約には、2028年と2029年は球団側に選択権のあるオプションが付いている。つまり、球団が望めば2028年、2029年まで契約を延長できる形だ。
2027年はイ・ジョンフ、キム・ヘソン両選手にとって“分岐点”となる1年だ。イ・ジョンフはオプトアウトでFAとなる可能性があり、キム・ヘソンは3年契約の終了を迎える。
仮にイ・ジョンフがドジャースと新たに契約したとしても、ドジャースがキム・ヘソンの延長オプションを行使しなければ再共演は実現しない。両方が同時に叶わなければ、イ・ジョンフとキム・ヘソンの“キウム・センターライン”復活は見られないのだ。

キム・ヘソンは今シーズン、限られた出場機会の中で打撃好調を維持し、初挑戦のメジャーでも着実に地位を築きつつある。現在の活躍が続けば、ドジャースが契約延長を早期に打診する可能性もあり、そうなれば再会への“条件”の一つが解消されることになる。
もちろん、現時点ではまだ何も決まっていない。だが、韓国の野球ファンにとって、メジャーの舞台で2人の韓国人選手が同じチームで活躍する姿を見られるのは、夢のようなシチュエーションであることは間違いない。
はたして“夢の共演”は現実となるのか。まずはイ・ジョンフ、キム・ヘソンの2人とも、現在のチームで活躍することが重要だ。
◇イ・ジョンフ プロフィール
1998年8月20日生まれ。日本・愛知県名古屋市出身。身長185cm。韓国のプロ野球選手。サンフランシスコ・ジャイアンツ所属。父親は1998~2001年に中日ドラゴンズに在籍したイ・ジョンボム(李鍾範)。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、同年の新人王を受賞。ゴールデングラブ賞(NPBのベストナインに相当)に2018~2022年の5年連続で選ばれており、2022年はシーズンMVPと打撃5冠(首位打者、最多安打、最多打点、最高長打率、最高出塁率)に輝いた。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場した。2023年12月13日、米メジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(日本円=約164億円)で契約した。愛称は「韓国のイチロー」。
◇キム・ヘソン プロフィール
1999年1月27日生まれ。韓国・京畿道出身。身長178cm。韓国のプロ野球選手。ロサンゼルス・ドジャース所属。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、2021~2024年の4年連続でゴールデングラブ賞(2021年は遊撃手部門、2022~2024年は二塁手部門)を受賞。2025年1月3日、ドジャースと3年総額1250万ドルで契約した。韓国代表では2021年東京五輪、2023年WBC、2023年杭州アジア大会、2023年アジアプロ野球チャンピオンシップなどに出場。登場曲は自身の名前「ヘソン」にちなんで、アニメ『BLEACH』のエンディング曲で知られる歌手ユンナの人気曲『ほうき星』韓国語版の『ヘソン(彗星)』。