かつて男性誌にも登場して注目を集めた韓国の美しすぎる女子卓球選手、ソ・ヒョウォンが現役を引退した。
韓国の“美しきカットマン”として日本でもその名を知られた彼女は、最近行われた韓国プロ卓球リーグ（KTTL）の予選をもって選手生活を終えた。
8歳の幼い年齢でラケットを握った少女は、一度も後ろを振り返ることなく韓国卓球のトップに駆け上がった。国家代表として世界を相手にスマッシュを放ち、自国の卓球の地位を高めた。粘り強いカットでしぶとく勝利をもぎとる姿は、「最後まで諦めるな」という人生の教訓を教えてくれるようにも見えた。
ソ・ヒョウォンは2008年から韓国馬事会のユニホームを身にまとい、韓国国内外の舞台で活躍してきた。
韓国代表としても、2016年リオ五輪をはじめアジア大会、世界卓球、ITTF男女ワールドカップなど数々の国際大会を経験し、チームの精神的支柱となってきた。度重なるケガやスランプ、若手台頭による世代交代の波に直面しながらも、彼女は決して動じることなく卓球台の前に立ち続けた。日本のTリーグでもトップおとめピンポンズ名古屋に在籍した。
引退を迎えたソ・ヒョウォンは「少し寂しさはありますが、落ち着いた気持ちで無事に最後の引退舞台を終えることができました。韓国馬事会という大きな支えの中で、後悔なく私のすべての情熱を注ぐことができたと思います」とコメント。
「国家代表として、そして韓国馬事会の選手としてプレーする機会を与えてくださったヒョン・ジョンファ監督やコーチ陣、そして変わらぬ愛を送ってくださったファンの皆さんのおかげで、幸せな選手生活を送ることができました」と語った。
ソ・ヒョウォンの引退を受け、韓国馬事会のヒョン・ジョンファ監督は「韓国女子卓球をけん引した“長女”であり、一時代を風靡した選手が去るのは寂しいが、彼女の第2の卓球人生を心から応援したい」と惜別の言葉を贈った。
ソ・ヒョウォンは今後、韓国卓球界の次世代を担う若手選手の育成に尽力し、指導者として新たなスタートを切る予定だ。
◇ソ・ヒョウォン プロフィール
1987年5月10日生まれ。韓国・慶尚北道出身。学生時代から韓国卓球界で注目を集めた有望株で、高校卒業後の2006年から国内の実業団で活動を始めると、アジア競技大会で団体戦銅メダル2個（2018年ジャカルタ大会、2023年杭州大会）、アジア選手権で団体戦銀メダル2個（2021年ドーハ大会、2023年平昌大会）、団体戦銅メダル2個（2015年パタヤ大会、2017年無錫大会）、ITTFワールドカップで銅メダル1個（2019年東京大会）を獲得。「カットの魔術師」の別名で人気を博した。2015年3月には男性誌『MAXIM KOREA』の表紙に登場したことで話題に。2024年パリ五輪では卓球競技の解説を務めた。2025年6月、現役引退を表明した。
