「性行為映像の不同意撮影」を認めて執行猶予判決を言い渡された元ガンバ大阪の韓国人FWファン・ウィジョに、被害者女性がさらなる厳罰を求めた。
複数の韓国メディアが報じたところによると、ソウル中央地裁・刑事控訴1-3部(チョ・ジョンレ、チン・ヒョンジ、アン・ヒギル部長判事)は6月19日、性暴力犯罪処罰法違反(カメラなどを利用した撮影)の容疑で起訴されたファン・ウィジョの2審初公判を開いた。
これに先立ち、ファン・ウィジョは1審で懲役1年、執行猶予2年、併せて200時間の社会奉仕と400時間の性暴力治療講義受講が命じられた。ただ、この判決をファン・ウィジョ側、検察側いずれも不服とし、それぞれ控訴していた。
ファン・ウィジョ側の弁護人はこの日、「ファン・ウィジョが反省しており前科がない点、被害者が特定されておらず被害の範囲が小さい点、(ファン・ウィジョが)これまでサッカー選手として、国家代表として一生懸命プレーしてきた点などを考慮すると、1審の判決は重い」と控訴の理由を説明した。
一方、検察は「(ファン・ウィジョは)代表選手でファンも多いため、ネット上で被害者に対する非難が多かった。そのせいで、被害者は精神科の相談も受けられなかった。(1審の執行猶予で)被告人は日常に復帰したが、被害者は再び日常がめちゃくちゃになった。多くの人々に及ぼす影響を考えて、厳罰に処してほしい」と訴えた。
ファン・ウィジョは同日の公判に出席したが、報道陣の質問には答えなかった。地裁は来る7月24日に再び裁判を開き、双方の最終陳述を聞いて弁論を終えることで決定した。

J1年間ベストイレブンも受賞
ファン・ウィジョは2022年6月から9月までの間、4回にわたり女性2人の同意なくプライベートの性行為映像を違法撮影した容疑で物議を醸した。2023年6月に「ファン・ウィジョの元恋人」を名乗る人物がSNS上で一連の主張を暴露したのがきっかけで、ファン・ウィジョも昨年10月の初公判で罪を認めた。
そして、今年2月14日の1審判決で懲役1年、執行猶予2年の有罪判決を言い渡された。地裁は判決に際し、「計4回にわたり携帯電話で性関係を動画で撮影をするなど、罪の質が良くない。被害者も精神的にショックを受けており、被告人を許していない」と指摘した。
なお、「元恋人」を名乗ってファン・ウィジョの撮影映像を無断で流出したのは、ファン・ウィジョの実兄の妻だった。彼女も昨年9月、性暴力処罰法上のカメラなどを利用した撮影・頒布(はんぷ)などの容疑で、最高裁で懲役3年の実刑判決を言い渡された。
この事件によって、ファン・ウィジョの韓国代表資格は事実上の“永久剥奪”となっている。
ファン・ウィジョは1992年8月生まれの32歳。2013年に韓国Kリーグの城南一和天馬(ソンナム・イルファ・チョンマ/現・城南FC)でデビューし、2017~2019年はJリーグのガンバ大阪でプレー。J1通算59試合23ゴールを記録し、2018年はJ1年間ベストイレブンにも選ばれた。
その後は2019年夏にボルドー(フランス)移籍を通じて欧州進出を果たすと、2022年夏にノッティンガム・フォレスト(イングランド)へ移籍し、レンタルでオリンピアコス(ギリシャ)、FCソウル、ノリッジ・シティ(イングランド)、アランヤスポル(トルコ)でプレー。2024年夏にアランヤスポルへ完全移籍加入し、2024-2025シーズンはリーグ戦30試合7ゴール1アシストを記録した。