橋本愛が語る日本映画の未来! 作家・金原ひとみと文芸評論家・三宅香帆のトークも | RBB TODAY

橋本愛が語る日本映画の未来! 作家・金原ひとみと文芸評論家・三宅香帆のトークも

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『ELLE ACTIVE! FESTIVAL 2025』5つのトークイベント
『ELLE ACTIVE! FESTIVAL 2025』5つのトークイベント 全 49 枚
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 6月28日、Hills House AZABUDAIにて『ELLE ACTIVE! FESTIVAL 2025』が開催。5つのトークイベントが行われ、俳優の橋本愛や作家の金原ひとみなど、多彩なゲストが登壇した。

橋本愛(俳優)

 最初のトークイベントでは金原ひとみさんと文芸評論家・三宅香帆が登壇し、「今、読むべき一冊と出合う」というタイトルでトークセッションを行った。

左から三宅香帆(文芸評論家)、金原ひとみ(作家)

 まず金原の新著『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』について、三宅は「とても素晴らしかったです。今回この小説は、たくさんの登場人物の内面を描いているというのがびっくりでした。私の知り合いの男性がこの作品を読んで、“中年への応援歌だ!”という話もしていました」と感想をコメント。

三宅香帆(文芸評論家)

 それに対して金原は、「どこかで希望を持てる作品を描きたいと思っていたので良かったです。性加害をテーマとしているので“なんでこのような状態になってしまったのか”を被害者の側だけでなくて、加害者の側の気持ちも含め、いろいろな角度から語らなければ感じていました。私自身、当初は加害者の気持ちは絶対に理解できないだろうなと思っていたのですが、小説を描く中で理解できる部分もあり、加害性というのは誰しもが持っているものだなとも感じました。多方面の視点を書ききれたと感じた作品となりました」と語った。

金原ひとみ(作家)

 そして三宅から読書の意義について問われると、金原は「やはり、SNSやショート動画のようなファスト化したコンテンツは瞬間的には刺さるのだけれど心に残らないなと感じていて、本をじっくり読むという体験は心に残る深さが違う。例えば私はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を数か月かけて上巻を読んだのですが、中下巻は本当に面白くて一気に読み進めたんです。こういった読書における成功体験を積み重ねることも意義があると思います」と回答した。

左から三宅香帆(文芸評論家)、金原ひとみ(作家)
左から三宅香帆(文芸評論家)、金原ひとみ(作家)

 また第3部のトークイベントでは、橋本愛と映画プロデューサーの福間美由紀が登壇し、「女性が導く日本映画のこれから」と題してトークセッションを開催。

左から橋本愛(俳優)、福間美由紀(映画プロデューサー)

 まず、福間が日本の映画業界における女性の監督、プロデューサー、スタッフの関わり方について、「肌感覚では女性スタッフは増えてはいるが、まだまだ意思決定層における女性の割合は低い」と現状を伝えた。

福間美由紀(映画プロデューサー)

 それに対して橋本は、「私も福間さんと同じで、増えてきているとは思いますが、やはりまだまだ女性のプロデューサーは少ないと感じますし、私自身、女性の監督とご一緒したことがあまりありません。衣装部やメイク部は女性の方が多いという認識です。今後、意識的に女性スタッフを増やしていくようにしていけたら良いなと思います。是枝監督と以前お話させていただいたとき、女性スタッフが増えるような意志をもって現場を作っていらしゃる方がいるのは映画界の希望だな、と感じました」と俳優の立場で語る。

橋本愛(俳優)

 福間は近年の撮影現場で、労働環境や出産・育児への支援が改善されつつあることに触れ、「以前の映画業界は長時間労働や力仕事が多く、男性向きの環境が続いていた印象があります。現在は映適(日本映画制作適正化機構)によってルールが整備され、デジタル化も進み、身体的な負担が軽減されてきました。女性スタッフにとって働きやすい環境が少しずつ整ってきていると感じます。シッター費用の補助や、女性が悩みや生活について話し合える場もできてきており、大きな変化だと思います」と述べた。

福間美由紀(映画プロデューサー)

 また、橋本は「私も映適のルールが適用された現場に参加しましたが、労働時間が決まっていることで心身ともにとても働きやすくなりました。限られた時間で高いクオリティを目指すことで、以前よりも現場にエネルギーが生まれ、作品の質も向上していると感じました」と話した。

左から月永理絵(映画ライター)、橋本愛(俳優)、福間美由紀(映画プロデューサー)

 そのほかにも、美容コラムニストの福本敦子とフィリップス・ジャパンのビューティー担当マーケティングマネージャー・大山直美は「~Be free in your own skin~ 自分をエンパワーメントするセルフケアとは」、タレント・ブランドプロデューサーのpecoと占星術研究家・翻訳家の鏡リュウジは「占い&ジャーナリングで未来を切り開く! “本当のわたし” の見つけ方」をテーマとしてトークを実施。

左から鏡リュウジ(占星術研究家/翻訳家)、peco(タレント/ブランドプロデューサー)

 最後の第5部では、エル編集局長・坂井佳奈子とエル・ジャポン副編集長・中村昭子が登壇し、現在開催中の大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」の「WAセッション」を紹介するとともに、イベント全体を総括した。

《ハララ書房》

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