かつて阪神タイガースで活躍した韓国人投手の呉昇桓(オ・スンファン/43)が、今シーズン限りで現役を引退する。8月6日、所属するサムスン・ライオンズが発表した。
サムスンは「呉昇桓が先週末、大邱(テグ)サムスン・ライオンズ・パークでユ・ジョングン球団オーナー兼代表と面談を行い、今シーズンを最後に引退する意思を明らかにした」としている。
呉昇桓が着用した背番号「21」は、千葉ロッテや巨人、オリックスにも在籍した李承燁(イ・スンヨプ)の「36」などに次いで、サムスン史上4人目の永久欠番となる予定だ。
呉昇桓は今後、別途のエントリー登録なく一軍に帯同する。サムスンは韓国野球委員会(KBO)や他球団と協議し、呉昇桓の引退ツアー、シーズン終了後の引退試合も実施予定。本人の希望があれば、海外でのコーチ研修もサポートする。
引退発表に際し、呉昇桓は「悩んだ末に引退を決めた。投手として、さまざまなリーグでこれほど多くの試合を経験できて本当に幸せだった。これまで多くの方々が、身に余る応援を送ってくださった。皆さんには本当に感謝しているし、引退後も忘れない」とコメントしている。

呉昇桓は1982年7月15日生まれの43歳。大卒ルーキーで2005年にサムスンへ入団した後、2007年にはプロ3年目で当時最速の通算100セーブに到達。以降、2009年に通算150セーブ、2011年に通算200セーブと、韓国プロ野球史上最年少かつ最速で快挙を挙げ続けた。特に、334試合で到達した通算200セーブは世界最速記録としても認められている。
その後も記録更新は止まらず、韓国プロ野球史上初めて通算250、300、350、400セーブを達成。2014~2015年に阪神タイガース、2016~2019年にMLBと海外挑戦で韓国を離れた時期もあったが、驚異的なペースでセーブを積み重ねた。
阪神時代はNPB通算127試合に出場して通算4勝7敗、80セーブ、12ホールド、防御率2.25。MLBではセントルイス・カージナルス、トロント・ブルージェイズ、コロラド・ロッキーズなどに在籍し、通算232試合で16勝13敗、42セーブ、42ホールド、防御率3.31を記録した。

そして、2019年にサムスンへ復帰した後、2023年6月6日のNCダイノス戦で日米韓通算500セーブを達成。同年10月14日のSSGランダース戦では韓国プロ野球史上初の個人通算400セーブを記録した。
プロ21年間で、現在まで日米韓通算549セーブとしている。