K-POPのグローバル人気は依然として高い。
アジア、ヨーロッパ、アメリカを問わず、海外の主催側は競うように公演やファンミーティングを誘致しようとしている。現地都市のランドマークでK-POPのステージを開催したいという熱望はかつてないほど大きい。
しかし幕が上がるまで、そして公演が行われている最中にも、至るところで問題が繰り返し生じている。
大型フェスが突然延期に
最近、海外で開かれた一部のK-POPイベントでは、突如の中止、返金の遅延、約束された特典の縮小、安全管理の不備が相次いだ。
誘致の意欲は強かったが、専門人材・運営経験・財政的安定性が不足して準備が整わなかったケースだ。契約当時に提示された条件が、実際の過程で縮小されたり無視されたりする事例も少なくない。
こうした状況は、韓国国内でも現れた。

8月22日、HANTEOグローバルは、9月6~7日にソウルワールドカップ競技場で開催される予定だった音楽フェス「2025 HANTEO MUSIC FESTIVAL」の開催を延期すると公式発表した。
ステージシミュレーションおよび現場点検の過程で、観客とアーティストが期待する水準の没入感を保証できないという結論に至ったためだ。主催側は事前検討の不足を認め、変更された日程や返金手続きを追って告知すると明らかにした。
今回の事例は、海外の舞台に限った問題ではなく、韓国国内の大型イベントでも同様の準備不足や構造的限界が露呈している点で警鐘を鳴らしている。
韓国の芸能事務所の姿勢も批判を免れない。
一部は海外公演を「現金獲得の手段」としてのみ捉え、市場規模やインフラを考慮せずに過度なギャランティーを要求する。現地の収益構造上、負担が難しいと知りながらも契約を強行した結果、運営費不足や準備不備につながる悪循環が繰り返されている。

実際に、チケット販売が期待に届かなかったため、現地主催側が人員や安全管理費を削り、VIP特典まで縮小したまま公演を強行した事例もある。この過程でファン体験の質は急激に低下し、返金・補償問題はしばしば対立へと発展する。
業界関係者は「K-POPの人気はアーティストとファンが共に積み上げてきた資産なのに、これを短期的な収益獲得の道具としてのみ利用すれば市場自体が消耗してしまう」とし、「情熱だけではステージを守れず、双方が現実を直視しなければならない」と指摘した。
K-POPが世界各地で「祭り」として残るためには、準備不足の現地主催側の運営限界、そして金儲け主義の誘致慣行から見直す必要がある。
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