韓国SBSのドキュメンタリー番組『それが知りたい』(原題)が、再婚夫婦に起きた衝撃事件を追う。
8月23日夜に韓国で放送される同番組では、「生死を分けた最後の晩餐」と題し、慶尚北道・盈徳(キョンサンブクド・ヨンドク)で発生した農薬中毒事件の真相に迫る。
事件が起きたのは昨年7月2日午後4時43分。119番通報に「夫が死んだ」という切迫した女性の通報が入った。
現場に駆けつけた救急隊員が見たのは、リビングのベランダ前で倒れている男性(イ氏)と、床にうつ伏せになっている妻(パク氏)の姿。食卓には酒瓶や複数の農薬の容器、そしてグラス代わりに使われたとみられる鉢が残されていた。
解剖の結果、男性の死因は急性農薬中毒。救急車で搬送されながら嘔吐を繰り返していたパク氏も強い苦痛を訴えていた。2人は再婚19年目の夫婦で、妻は「夫が“ともに死のう”と言って農薬を注いだ器を差し出し、私も一緒に飲んだ」と証言。意識を失って夜明けに目を覚ましたとき、夫はすでに息絶えており、自分だけが嘔吐して一命を取り留めたと説明した。
夫婦がこのような行動を取った背景には、借金があったとされる。だが、夫の実子たちは継母の供述に強い疑念を抱いている。

というのも、事件前日、夫は苦しむパク氏を励ますメッセージを送り、中古取引まで行っていた。近隣住民や知人も「そのような兆候はまったく見られなかった」と口を揃えたというのだ。
一方、パク氏は夫が倉庫から農薬を持ち出す様子が自宅の防犯カメラに映っていたと反論。さらに「夫が二種類の農薬を混ぜ、一緒に飲もうと勧めてきたのは事実。私はたまたま吐いて助かっただけで、自分は少しだけ飲んで夫に大量に飲ませたという疑いは根拠のない中傷だ」と主張した。
しかし、パク氏が亡くなったあと、子どもたちは父の財産状況に衝撃を受けた。退職後も余裕のある生活を送っていたはずの父の口座残高は、数百万ウォン(数十万円)程度だったのだ。給与や退職金はすべてパク氏、すなわち継母の口座に流れており、建物や土地も彼女名義に贈与されていた。さらにパク氏と、その知人とみられる人物が多額の入出金を繰り返した形跡も発見された。
加えて、「パクに詐欺で被害を受けた」という人々の証言や、彼女にまつわる不可解な噂も浮上している。果たしてパク氏とは何者なのか。父の死と継母の関与を疑う子どもたちの直感は正しいのか。
そして最大の謎は、農薬を口にしてから通報が入るまでの17時間。密室のような2人きりの空間で、果たして何が起きていたのか。本放送への注目が集まっている。
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