突然この世を去った俳優イ・ソンギュンさんを脅迫し、約3億ウォン(約3000万円)を脅し取った遊興店の女性室長が、麻薬投薬容疑の裁判の控訴審でも懲役刑を言い渡された。
8月25日、法曹界によれば、ソウル高等裁判所・刑事3部(イ・スンハン部長判事)は最近、麻薬類管理に関する法律違反の容疑で裁判にかけられた遊興店の女性室長A氏(31)に対し、1審と同様に懲役1年を宣告し、さらに薬物中毒リハビリ教育プログラム40時間の履修も命じた。
裁判部は「麻薬類関連犯罪は特性上摘発が容易でなく、再犯の危険性が高く、公共に及ぼす害悪の程度も大きい」とし、「A氏が受け取ったり、投与・吸引したりした麻薬類の種類や回数は少なくなく、罪責は軽くない」と指摘した。
A氏は麻薬などの前科6犯で、2023年にヒロポンや大麻を3回投与または吸引した容疑で裁判にかけられた。
このまま判決が確定すれば、A氏はイ・ソンギュンさんに対する恐喝容疑ですでに確定している懲役5年6カ月に加え、さらに懲役1年を服役することになる。

A氏は2023年9月、イ・ソンギュンさんに電話をかけ「携帯電話がハッキングされ脅されている。口止めのためにお金が必要だ」などと話し、3億ウォンを脅し取った容疑で拘束・起訴された。
警察の調査の結果、当時A氏を脅していたハッキング犯は、普段から同じアパートに住み親しくしていた元映画女優B氏(30)であることが後に判明した。
B氏はA氏から金を受け取れなかったため、2023年10月に1億ウォン(約1000万円)を要求してイ・ソンギュンさんを直接脅迫し、最終的に5000万ウォン(約500万円)をだまし取った。
これと関連した裁判でA氏は、7月16日の控訴審で懲役5年6カ月を言い渡された。B氏は懲役6年6カ月を言い渡されている。
なお、A氏やB氏から脅迫を受けていたイ・ソンギュンさんは、麻薬投薬に関する複数回の捜査でもすべて陰性判定を受けていたが、関連疑惑の報道が相次いだ2023年12月、突然この世を去った。
◇イ・ソンギュンさん プロフィール
1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』(原題)でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン(日本の里見脩二)役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ~恋が出来るまで~』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。2023年12月27日、48歳でこの世を去った。
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