ホラー映画『層間騒音』の韓国版予告が解禁となった。
何気ない生活音の発信源が分からず、得体のしれない恐怖も伴う“怖音(ふおん)”だとしたらというテーマを描いた本作。”層間騒音“(そうかんそうおん)という言葉は、集合住宅で上下階から聞こえてくる生活音(足音、話し声、ドアの開閉音、家電製品の音など)を指す韓国の言葉である。
ある日、聴覚障がいを持つソ・ジュヨンは、妹のジュヒが突然失踪したと知らされる。2人は以前一緒に暮らしていたが、ジュヒは騒音が聞こえると言い始め、ジュヨンには補聴器を付けてもその騒音が聞こえず、食い違いから喧嘩になったきり会っていなかった。ジュヒが住んでいた団地の部屋に入ると、天井にはびっしりと防音シートが敷き詰められていた。直後に尋ねてきた隣人からは、「夜は静かにしてもらえますか、これ以上うるさくしたらその口を裂く」と脅される事態に。しかし、ジュヒが失踪した後の部屋には誰も居ない。妹が見つかるまで団地の部屋に泊まる事にしたジュヨンは、補聴器を介して奇妙な音が聞こえ始める。やがて音だけでなく何かの存在も感じるようになるのだが、これらは妹の失踪に関係しているのか…。
聴覚障がいのある主人公ソ・ジュヨンを演じるのは、ドラマ『ジャガイモ研究所』のイ・ソンビン。行方不明の妹を探すうちに、不可解な騒音が齎す恐怖と対峙するという難役を演じきった。同じく団地の騒音に悩まされている怪しい隣人には、Netflixで配信中の大ヒットドラマ『未知のソウル』で注目を浴びる、リュ・ギョンスが演じている。
今回解禁された韓国版予告編は、日本版の予告編と打って変わった怖さが体感できるといい、本国で話題を呼んだ。日本版の予告編では、ベートーヴェンの名曲『エリーゼのために』の電話着信音に乗せてスタートする。しかし韓国版では、「真下の部屋の者です」と語る男性が、玄関ドアに設置されたナンバーキーを、包丁で突くという衝撃的なシーンから展開されていく。
ソ・ジュヨンが突然行方をくらました妹のジュヒを探すため、住んでいた古い団地を訪れた。ジュヒの部屋で、失踪した手がかりを探していると、勢いよく出る水道の音、部屋の天井を叩く住民女性、洗濯機の音といった生活音が鳴り響くシーンが投映されていく。そして英題となっている『NOISE』(騒音)という文字が横に流れると、「静かにしなさい!」、「もうやめて!」、「誰だー!」といった、薄気味悪い声を轟いていく。この叫び声は、この団地に住んでいる人たちの、おぞましい悲鳴だという…。
続いてカタカタという異音に併せて場面が転換すると、“キーン”というこの世のものとは思えない“怖音(ふおん)”が聴こえてくるはず。約5秒間の怖音が聴いたジュヨンが、「聞こえる? 音がするでしょ! 604号室は取り憑かれてるわ」と叫ぶ姿を捉えており、妹が暮らしていた部屋が恐ろしい怪奇に巻き込まれていることを示唆している。“みんなおかしくなる”と語られる、この団地に住んだ人たちにしか聴こえない怖音の正体とは…? 日本版予告編とは違った視点で描かれた、韓国版の予告編でも恐怖を味わっていただきたい。
併せて届いたのは、突然失踪したジョヒの“捜索ビラ”となり、団地に住む住人に向けて配布されたという。大きな文字で「妹を探しています」というコピーが躍っているのだが、しわくちゃになったと思われる紙しわが出来ており、住民たちの無関心さが伺い知れる。果たして彼女の安否が無事なのか、注目度の高い資料となっている。
さらに登場人物たちを解説した『騒音がする団地・相関図』も到着しており、“うるさいと毎日叫ぶ704号室”、“親切だがどこか引っかかる804号室”、“騒音に悩まされて刃物を持って玄関まで脅しにくる504号室”といった住民たちを紹介している。この中に、妹失踪理由のヒントを持つ人物がいるのかも気になってしまう。
『層間騒音』は10月10日より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国ロードショー。
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