大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)がメジャーリーグの歴史を再び塗り替えた。昨季の「50本塁打・50盗塁」に続き、今季は史上初となる「50本塁打・50奪三振」という前人未到の記録を達成したのだ。
今季は“二刀流”が復活したため、昨季の成績には及ばないという予想が大半を占めていたが、その常識をあっさりと覆した。彼は「マンガのような野球」を現実世界で体現している。
大谷は9月17日(日本時間)、本拠地ドジャー・スタジアムで行われたフィラデルフィア・フィリーズ戦に先発投手兼1番打者として出場。投手では5回を投げて被安打ゼロ、1四球、5奪三振、無失点のノーヒット投球を披露した。これでシーズン奪三振数は54に到達した。
投球数はわずか68球。最速164kmのストレートと鋭い変化球で相手打線を圧倒したが、登板は5回までで終了した。デーブ・ロバーツ監督が「大谷はあまりにも重要な選手」とし、登板過多を避ける方針を貫いたためだった。大谷本人は6回の続投も希望していたが、交代を受け入れた。
打者としては8回裏にソロ本塁打を放ち、シーズン50号に到達。これで2年連続の50本塁打達成だけでなく、MLB史上初めて「50本塁打・50奪三振」を同一シーズンに成し遂げた選手となった。『MLB.com』も「1シーズンで50本塁打を放った打者が、投手として三振を奪ったのは1921年のベーブ・ルース以来だ」と伝えている。
ただ、試合は大谷のワンマンショーにもかかわらずドジャースの勝利とはならず。リリーフ陣が6回に6失点を喫し、4点のリードを守れず6-9で逆転負けを喫した。チームは2連敗となり、ナ・リーグ西地区首位の座も危うくなっている。

それでも、大谷の偉業はMLB100年の歴史に残る快挙だ。昨季は54本塁打・59盗塁で「50-50」を成し遂げ、今季はまた別の形で「50-50」を達成。自らが“二刀流の究極形”であることを証明してみせた。強打のリードオフマンで、ポストシーズンを担える絶対的エースという存在感を示している。
試合後、大谷は「できるだけ長く投げたいが、自分が決められることではない。チームが求める役割に合わせていつでも準備する」と語り、ポストシーズンでリリーフ登板に回る可能性にも含みを持たせた。