18日、元日向坂46で女優の齊藤京子が韓国で開催中の「第30回釜山国際映画祭」(26日まで)で、「アジア映画の窓部門」に正式出品された主演映画『恋愛裁判』(2026年1月23日公開)の公式上映に出席した。

同作は深田晃司監督が「元アイドルの女性に賠償命令」が言い渡された実際の裁判に着想を得て、約10年に渡る構想を費やした意欲作だ。アイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」のセンター山岡真衣(齊藤京子)が「恋愛禁止ルール」を破ったことで裁判にかけられる物語を通じて、アイドル業界の光と影を描き出す。

現地時間9月18日、齊藤と深田監督が釜山国際映画祭の野外グリーティングに登場。5000人を収容する大スクリーンを背景に、2人はそれぞれ韓国語で挨拶すると会場から大きな拍手と歓声が上がった。深田監督は作品について「この作品はアイドル業界を批判するために作っているのではなくて、観ている人自身がどう考えるか、そして考えていることが炙り出されていく、そのような映画になっているのではないかと思います」とアピール。

同日15時30分からの公式上映では、幅広い観客層で埋め尽くされた会場で上映が開始。上映中は時に笑いやどよめきがおこったり、緊張感が漂うなど、会場内の観客が楽しみながらも集中して映画を鑑賞する空気が伝わってきた。上映終了後には拍手が起こり、深田監督が呼び込まれ、その後に齊藤が登場すると大きな声援で迎えられた。
齊藤は「この話を聞いた時、すぐに『絶対やりたい』と思い、オーディションを受けさせていただきました。釜山国際映画祭にこうして立てることは、本当に一生忘れない思い出です」と喜びを語った。
観客のQ&Aでは多くの観客が手を挙げ、同作の人気の高さをうかがわせた。「齊藤の役作りとキャラクターの変化」について問われた深田監督は「映画の中で真衣が立つ舞台が変化していくことで、彼女の心理状態を表現している。最初はファンの歓声の中で輝く舞台に立っていたが、やがてファンが消え、弁護士や裁判官だけがいる殺風景な法廷に立つことになる。この舞台の変化を通じて、真衣が何を得たのか、そして何と闘っているのか自ら見つけていく成長が描かれている」と回答した。

齊藤は「脚本を読んで物語の面白さに惹かれ、特にアイドルシーンのリアルな描写に共感しました。自身も元アイドルであるため、この役をぜひやりたいと思いました」と役への想いを語った。
前日のオープニングセレモニーから公式上映までを終え、齊藤は「お客様の前に立つ舞台挨拶は本当に一瞬だと感じ、その喜びと幸せを改めて実感しました」と語り、「観客の方とのQ&Aに参加し、感想や疑問を直接聞くことができたことは貴重な経験。映画から多くのことを感じ取ってくださったことに感動しました。今後も色んな方に同作を楽しんでいただきたいです」と締めくくった。
さらに第38回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門に正式出品することが決定。10月27日から11月5日に開催される東京国際映画祭のガラ・セレクション部門へ同作が公式出品される。