韓国文化体育観光部傘下のスポーツ倫理センターは9月24日、所属選手に対して数千万ウォン(数百万円)の金銭上納を要求したとして、ある郡庁の実業団チーム監督B氏に懲戒を求めるとともに、捜査機関への捜査依頼を決定したと発表した。
通報によれば、B氏は2021年以降、契約金や年俸の昇給分などを名目に、3回にわたり総額2900万ウォン(約300万円)を選手から受け取ったとされる。
B氏は調査で「2020年と2022年に選手から感謝の気持ちとしてそれぞれ900万ウォンを受け取った事実はあるが、強要や脅迫はなかった」と主張。また2023年に受け取った2000万ウォンについては「選手の配偶者から感謝の意を込めて贈られたもの」と説明した。
しかし、倫理センターの審議委員会が調査した結果、B氏が2021年に入団契約金の一部700万ウォン、2022年に年俸の一部200万ウォン、2023年に契約金の一部2000万ウォンを要求し、自身の配偶者名義の口座に振り込ませていた事実が確認された。さらに別の選手も契約金の一部を監督の配偶者口座に送金していたことが判明した。
倫理センターは、追加の不正行為の有無は捜査機関による調査が必要と判断。現行の「国民体育振興法」では、実業団チームと選手が対等な立場で公正な契約を結べるよう標準契約書の作成・普及を規定しているほか、当該郡庁の入団契約書でも金品授受を要求してはならないと明記されている。

また、B氏は「不正請託及び金品等収受の禁止に関する法律」で定められる公職者に該当し、同法第8条で禁じられている金品の受領や要求に抵触する可能性があると指摘。同法第22条(罰則)に該当するかについても捜査が必要だと強調した。
さらに今回の行為は、大韓体育会「スポーツ公正委員会規程」で定める懲戒基準、すなわち「金品収受(積極的に要求し、金額が500万ウォン以上の場合)」に該当することから、懲戒と捜査依頼が妥当と結論づけた。
スポーツ倫理センターは「今回の実業団監督による金銭授受事件のように、“慣行”の名の下で地位や関係性の優位を利用し、不公正な金銭行為を強要・反復することは明白な不正だ」とし、「規定と手続きに基づく厳正な調査を通じ、選手の権益を守り、安心して競技に専念できる環境づくりに今後も取り組んでいく」とコメントした。