K-POP界で再び「盗作疑惑」が波紋を広げている。
ガールズバンドQWERの応援棒が、ボーイズグループTHE BOYZの応援棒のデザインと酷似しているのではないかと指摘され、議論を呼んでいるのだ。
最近公開されたQWER初のワールドツアー・ソウル公演グッズの応援棒は、白いメガホン型のシンプルなデザインだった。しかし、THE BOYZのファンからは「盗作ではないか」と疑問の声が相次ぎ、SNSを中心に批判が拡散された。
THE BOYZ側は9月25日、「THE BOYZ公式応援棒とQWERの応援棒のデザイン類似性によってファンの皆さまが感じた混乱と不便に深く共感し、心から申し訳なく思っている」とし、「すべての法的手続きを含め、関係機関と連携して強力に対応していく」と強調した。

一方でQWERファンは「メガホン自体が一般的なデザインであり、盗作だというのは無理がある」と反発している。
K-POP同士での盗作が顕在化
周知の通り、K-POPにおける盗作騒動は今回が初めてではない。過去には「外部」からのデザイン流用やモチーフの盗用が繰り返されてきた。
例えば、少女時代のデビュー15周年を記念した新曲ミュージックビデオのセットに、東京ディズニーシーの15周年ロゴデザインが無断使用されていたことが発覚した。疑惑が広がると演出したシン・ヒウォン監督は、「恥ずかしく申し訳ない」と謝罪を余儀なくされた。

2020年には、造形芸術作家のデイヴィス・マッカーティー(Davis McCarty)氏がSNSを通じて「TWICEが私の造形物を盗用してミュージックビデオを作った」と主張する騒動も起きた。
彼が問題視したのは、TWICEの『MORE & MORE』ミュージックビデオに登場する造形物だ。それは、色とりどりのガラスを用いて光が崩れる様を演出するマッカーティー氏の代表作「Pulse Portal」と酷似していた。
TWICEの所属事務所JYPエンターテインメントは「ミュージックビデオの制作会社には、既存作品を手掛けたクリエイターとの話し合いを通じて問題を解決してほしいと要請した」との立場を明らかにした。


他にも、チョン・ソミの『Fast Forward』ミュージックビデオのキャラクターが、日本の漫画『うる星やつら』に似ているとの声が続出し、“トレース疑惑”が提起されたことも。ジャンルや対象を問わず、盗作問題は常にK-POPを取り巻く影となってきたといえるだろう。

問題は、こうした「外」からの盗用疑惑が多かったケースに比べ、近年は「内部」での模倣やパクリ合いが顕在化している点だ。
コンセプトやビジュアル、パフォーマンスの演出など、K-POP同士での「似ている」「盗んでいる」といった論争が目立ち始めている。
具体例を挙げると、i-dle・ソヨンが作詞・作曲に参加した曲『SUN』が公開された際に、一部のメロディーがATEEZの『WAVE』のサビに似ているという指摘が出たことが思い出される。これを受けてソヨンの所属事務所は、「いくつかのメロディーの類似性を認識し、それと関連してアーティストが直接その作曲家に状況を伝え、謝罪の言葉を伝えた」と謝罪した。
前述したQWERとTHE BOYZの応援棒に関するデザイン論争も、K-POP同士の争いの一端といえるだろう。
そして、この構図の「頂点」ともいえるのが、NewJeansとILLITをめぐる騒動だ。


NewJeansの大成功を受けて、同じHYBE系列からデビューしたILLITに対し、“NewJeansの母親”と呼ばれるミン・ヒジン氏が「グループそのものがNewJeansのコピー」と指摘した議論だ。一部からは、コンセプトの方向性やビジュアルのトーン、プロモーション手法までが酷似しているとされ、同じHYBE傘下レーベル同士で批判し合う事態にまで発展した。
その過程でミン・ヒジン氏は所属事務所から去り、それに続くようにNewJeansも所属事務所と対立。デビュー直後からトップクラスの人気を誇ったグループも、現在は裁判の影響で活動を中断している。
もはや個別の楽曲やデザインにとどまらず、「グループそのものが盗作」という次元に踏み込んだ形で、K-POP内部の盗作問題は深刻化しているわけだ。
世界的な影響力を誇るK-POPだからこそ、模倣や盗作への視線は厳しい。かつては「参考にした」で済まされた事例も、今やSNSを通じて瞬時に世界へ拡散され、国際的な批判を浴びるリスクが高まっている。
QWERとTHE BOYZの応援棒をめぐる今回の論争も、単なるデザインの類似にとどまらず、K-POPシーン全体が抱える「創造性と模倣の境界線」という課題を映し出しているのかもしれない。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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