リサが世界的大手エージェンシー「WME」と電撃契約を結んだと報じられ、他メンバーを含めたBLACKPINKの“女優業”に関心が集まっている。
米メディア『Deadline』は現地時間9月30日、「リサがWMEと専属契約を締結し、映画やTVシリーズ分野に進出する予定だ」と報じた。
今回の契約は、今年初めに放送されたアメリカの人気ドラマ『ホワイト・ロータス』シーズン3で演技に初挑戦したリサが、K-POPアーティストとしての活動を超え、ハリウッドの舞台で女優としての可能性を広げる重要な転換点になるとの見方も出ている。
BLACKPINKの女優業、大丈夫?

ただリサに限らず、BLACKPINKメンバーの女優業は現在、なかなか厳しい評価を受けているのが現実だ。
例えば、メンバーで最も早く“女優デビュー”し、ドラマ『スノードロップ』『ニュートピア』や映画『全知的な読者の視点から』など、最も多くの作品に出演しているジスだが、女優としての評判が高いとは言いづらい。
今年7月に韓国で公開された『全知的な読者の視点から』でのジスの評価について、ある韓国スポーツ紙は「以前から指摘されていた“大根役者”というレッテルを、いまだに剥がせずにいる」と報じた。
同紙は「初登場シーンから声によって没入感を壊してしまった。長いトンネルの先から響いてくるジスの声はこもっており、彼女特有の通りにくい発声が改善されていない。俳優として未熟な発声は、“大根役者”というレッテルを払拭するには力不足だ」と指摘した。

そして、「息苦しい発声、状況に合わない声のトーン、不正確な発音などによって、キャラクターへの説得力を失わせ、原作では魅力的だったキャラクターの存在感を損なってしまった」と厳しく批評した。
ジスが出演した作品は映画やドラマを問わず、いずれもヒットしておらず、2026年にNetflixで公開予定のドラマ『月刊彼氏』(原題)の結果次第では、さらに厳しい状況に追い込まれる可能性がある。
一方、ジェニーの女優デビューも物議を醸した。2023年のドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』だ。
ジェニーは第1話で、ブラトップにホットパンツという衣装で登場。男性ダンサーと身体を密着させるダンスシーンによって、「扇情的すぎる」として批判の的になった。さらに第3話でもジェニーは、身体のラインがあらわになった衣装を着用してステージに上がり、男性ダンサーと密着ダンスを披露。この時、特定の部位に男性のダンサーが触れるような動作を見せ、ネット上では批判や怒りの声が続出した。

このドラマ自体の評判が悪く早期終了したため目立たなかったが、ジェニーの女優デビューはほろ苦いものとなった。
そして、リサもあまり状況は変わらない。
前出の『ホワイト・ロータス』シーズン3で女優デビューしたリサだったが、そもそも出演時間が少なすぎて、評価を得るには至っていない。
英メディア『ガーディアン』は、リサが演じた「ムック」を『ホワイト・ロータス』で“最悪のキャラクターの一人”と評し、「不可解なのは、この役を世界的K-POPスーパースターであるリサが演じていたという点だ。まるでレディー・ガガをキャスティングして、エキストラとして使うようなもの」と論じた。

本人にはどうしようもないことだが、女優デビューが成功したとは決していえないだろう。
何よりもメンバーで唯一、女優活動のないロゼがこの間、最も大きな成果を上げていることが皮肉だ。
ロゼは9月、ブルーノ・マーズとコラボした『APT.』で、アメリカ4大音楽賞のひとつとされる「2025 MTVビデオ・ミュージック・アワード(MTV VMA)」の「ソング・オブ・ザ・イヤー(今年の歌)」を受賞した。
K-POPアーティストが同部門で受賞するのは初めてのこと。2021年にはBTSが『Dynamite』で同部門候補にノミネートされたが、受賞はならなかった。確実にK-POP史に残る快挙といえるだろう。

現時点では女優業において、手厳しい評価も受けているBLACKPINKメンバーたち。それでも女優としての歩みは、まだ始まったばかりであることも事実だ。
数々のK-POPの歴史を塗り替えてきた彼女たちが、スクリーンやドラマの世界でも新たな歴史を刻むのか、その行方に注目が集まる。
(文=スポーツソウル日本版編集部)