サッカー韓国代表に選ばれている“ドイツ系選手”のMFイェンス・カストロップ(22、ボルシア・メンヒェングラートバッハ)が、韓国特有の上下関係文化に対する考えを明かした。
カストロップは10月7日、高陽(コヤン)総合運動場の補助球場で行われた韓国代表のトレーニングに先立ち、報道陣の取材に応じた。
デュッセルドルフ出身でドイツ人の父と韓国人の母を持ち、過去にドイツの世代別代表でプレー経験のあるカストロップ。9月の親善試合で韓国代表初招集・初出場を飾った22歳は今月も引き続きメンバーに選ばれたのだが、彼がドイツメディア『キッカー』とのインタビューで語ったコメントが韓国国内で話題となっている。
というのも、カストロップは韓国代表の雰囲気について言及した際、「韓国では礼儀がとても重んじられている。挨拶の際には頭を下げるし、若手はエレベーターに一番最後に乗る。食事の後は年上の選手に果物を持って行き、全員が食べ終わるまで誰も席を立たない」と伝えた。
すると、この発言がチーム内の文化を指摘したとして、「韓国代表の“コンデ文化”を暴露した」などと解釈されネット上で広く拡散されたのだ。コンデは“説教好きの高齢者”を指す韓国の造語で、日本でいうと“老害”とも一脈通じる。
自身の発言から生じた思わぬ騒動に、カストロップは「韓国代表の文化を批判する意図はまったくなかった」と強調。「年齢に関係なく一緒に食事をし、互いに助け合う文化を紹介したかっただけだ」と釈明した。

韓国代表は10月10日にブラジル代表、14日にパラグライ代表とそれぞれソウルワールドカップ競技場で対戦する。カストロップは「ブラジルとの親善試合は大きな舞台だ。僕は常にメンタル面で準備ができている」と期待を明かすとともに、「パフォーマンスが悪ければ批判が伴うのが我々の職業。もしプレーが良くなければ批判を謙虚に受け入れ、次はより良いプレーをするのが自分の宿命だ」と意気込みを伝えた。
ボランチやサイドハーフ、サイドバックなど複数ポジションをこなすカストロップは、韓国代表でもマルチロールな活躍を予告。「クラブでは最近、攻撃的な左ウイングで起用されているが、中盤ならどこでも自信がある。監督が望むポジションで最善を尽くす。自分の最適なポジションにこだわるのではなく、試合そのものに集中したい」と力を込めた。