10月10日より公開中の劇場用実写映画『秒速5センチメートル』の公開を記念して、10月24日から3週にわたり、新海誠監督のアニメーション作品『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』『雲のむこう、約束の場所』の全3作品を放送する。いずれも関東ローカルでの放送となる。
新海誠監督の“不朽の名作”と言われるアニメーション作品『秒速5センチメートル』は、2007年に公開された新海誠監督による劇場アニメーション。『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(2019年)、『すずめの戸締まり』(2022年)など、数々のヒット作を生み出している新海作品のなかでも、新海ワールドの“原点”との呼び声高い作品だ。今回、劇場用実写映画の大ヒットを記念し、地上波での放送が決定した。
さらに、『秒速5センチメートル』にならび、『君の名は。』以前の新海誠監督作品で人気の高い『言の葉の庭』、初の長編作品である『雲のむこう、約束の場所』を3週にわたって放送する。
『秒速5センチメートル』(2007年)は、小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里の物語。二人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけが過ぎていった。そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行く……。貴樹と明里の再会の日を描いた「桜花抄」、その後の貴樹を別の人物の視点から描いた「コスモナウト」、そして彼らの魂の彷徨(ほうこう)を切り取った表題作「秒速5センチメートル」。3本の連作アニメーション作品だ。

『言の葉の庭』(2013年)は、梅雨の季節に日本庭園で出会った、靴職人を目指す高校生・タカオと謎めいた年上の女性・ユキノの物語。ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬(おうせ)を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。愛に至る以前の孤独――。万葉集の一篇から始まる“孤悲(こい)”の物語だ。

『雲のむこう、約束の場所』(2004年)は、日本が南北に分断された、もう一つの戦後の世界を舞台とした作品。少年・ヒロキとタクヤは、ユニオン占領下の北海道にそびえる謎の巨大な「塔」まで飛ぼうと、自力で小型飛行機“ヴェラシーラ”を組み立てていた。二人は憧れの少女・サユリとある約束をするが、中学三年の夏、サユリは突然転校してしまう。そして三年後、ヒロキはサユリのある秘密を知る――。主人公の声をつとめたのは、実写映画『秒速5センチメートル』にも出演している吉岡秀隆だ。