チャンネル登録者数183万人を誇る韓国の人気ユーチューバーが、“セレブの宴”として炎上したファッション誌『W Korea』主催の乳がん啓発イベントを痛烈に批判した。
チョン・ソンホは10月20日、自身のYouTubeチャンネルで「乳がん手術を受けた母に『MOMMAE』を聴かせてみました」というタイトルの動画を公開した。
公開された動画で、チョン・ソンホは「僕が中学生のとき、母が乳がんにかかった。抗がん治療をほぼ2年間受けて、そのときは母の髪がすべて抜けて、真夏でもずっとニット帽を被っていた」と語る。そして、「乳がん認識改善のためのイベントで歌われたという曲を聴いてみよう」とし、歌手パク・ジェボムが同イベントで披露した『MOMMAE』を母に聴かせた。
すると、この曲を聴いたチョン・ソンホの母は露骨に不快感を示し、「これは何なの?啓発キャンペーンだと言いながら、こんな歌を歌うなんて侮辱だ。気分が悪い」と顔をしかめた。

そして、チョン・ソンホは「これでいいのか?これで“自動的に”認識が改善されるのか?」と問いかけるとともに、「例え考えがないとしても、ここまでとは思わなかった。人気のある芸能人やセレブ、インフルエンサーを集めれば、自動的に啓発につながるのか」とイベントを痛烈に批判していた。

これに先立ち、韓国では10月15日の『W Korea』主催の乳がん啓発イベント「Love Your W」がソウル鍾路区(チョンノグ)のフォーシーズンズ・ホテル・ソウルで開催された。同イベントにはBTSメンバーをはじめTOMORROW X TOGETHER、LE SSERAFIM、IVE、aespaといったK-POPアイドル、ビョン・ウソク、コ・ヒョンジョン、パク・ウンビン、イ・ヨンエといった俳優など多くの豪華著名人が参加した。
同イベントは乳がんの早期発見と認識向上を呼び掛ける目的で2006年から行われてきたが、今回、フォトイベント後に行われたお酒ありの盛大なパーティ、さらには趣旨にふさわしくない不適切なステージなどで批判を浴びている。
特に、チョン・ソンホが指摘したパク・ジェボムの楽曲『MOMMAE』は“成人指定”を受けた楽曲であり、歌詞にも「君の胸についている姉妹 双子」など女性の身体を露骨に描写があったことから、「乳がんを嘲弄した」などと非難を集める事態となった。
これを受け、『W Korea』は騒動から4日後の10月19日に謝罪文を発表。「今回のイベントで心を痛めたすべての方々の思いを考え、自分たちの至らなさを振り返っている。今回の件をきっかけに、今後はイベントの企画から実施までの全過程をより慎重に見直していく」と伝えたが、現在も批判の声は収まっていない。