デビューから16年、初めてのソロに踏み出す。女優チョン・スジョンが「歌手クリスタル」として帰ってくる。
ガールズグループf(x)出身のクリスタル(チョン・スジョン)が11月27日、初のソロシングル『Solitary』をリリースする。歌手としてのカムバックだ。
クリスタルがソロとしてデビューするのは、2009年にf(x)のメンバーとして芸能界に足を踏み入れてから、初めてのこと。長い時間がかかった。
クリスタルの名前を冠したアルバムがリリースされるという知らせは、長く待ち続けてきたf(x)のファンダム「MeU」をはじめ、一般のK-POPファンにとっても意味深い瞬間として受け止められている。
これまでクリスタルは、f(x)の活動が終了して以降、演技活動に専念してきた。ドラマ『刑務所のルールブック』『警察授業』、映画『エビギュホワン』『甘酸っぱい』『蜘蛛の巣』に至るまで、ジャンルを問わず多様なキャラクターをこなした。

そのおかげで表現できる演技の幅を広げ、「女優チョン・スジョン」として独自の領域を築いてきた。
しかしクリスタルが女優として活躍している間も、f(x)のリードボーカルであった彼女の声を待ち望む声は途切れなかった。クリスタルが持つ独特の音色と歌唱力ゆえのことだ。
f(x)の音楽は、当時のK-POPの主流とは明確に区別される実験性と破格の個性が土台であった。幻想的でキッチュなメロディ、そしてシックな雰囲気。そんなf(x)のサウンドの中心にはクリスタルの声が存在していた。つぶやくような自然な歌唱に、清涼で澄んだ、しかし芯のあるボーカル。f(x)のアイデンティティを完成させる核心要素だった。
名曲とされるf(x)のバラード曲では、なおのこと存在感が際立った。ルナとのデュエット曲『You Are My Destiny』『Sorry』『Beautiful Stranger』など、活動初期のバラードを聴けば、ルナのパワフルな歌唱と対比されるクリスタルの繊細な感情線が深い印象を残す。

クリスタルが過去に発表した一部のソロ曲でも、その力量は証明されている。2014年の主演ドラマ『僕には愛しすぎる彼女』のOST『ウルコク』を自ら歌い、直感的な歌詞に真実味を与えるボーカルを披露した。
2017年にはGlen Checkのキム・ジュンウォンとコラボした『I Don’t Wanna Love You』を発表。幻想的なオルタナティブサウンドの中で、自身のシックな声がどのような音楽的色彩を展開できるのかを証明した。
特に、16年越しにリリースされるソロシングルという点で、長年にわたり緻密に築かれてきたクリスタルの個人的な音楽世界が反映されるとの期待が寄せられている。クリスタルは普段、大衆的に流行するジャンルよりも、インディー系で個性の強い音楽を好んで聴き、ファンにも自身の嗜好を共有してきた。
最近、SoundCloudに、アメリカの“ブルー・アイド・ソウル”ミュージシャン、ボビー・コールドウェルの『My Flame』カバーを投稿したことも、ソロ音楽に対する一種のヒントとして受け止められている。

クリスタルの初ソロシングル『Solitary』が、単なる単発アルバムではなく、クリスタル=チョン・スジョンという一人のアーティストの新しい世界を開く出発点となることを願う。
容易に真似できない固有の感性と深い内面を歌として具現化できたなら、K-POPの歴史においても意味あるアーティストとして刻まれるであろう。
◇クリスタル プロフィール
1994年10月24日生まれ。サンフランシスコ出身の韓国系アメリカ人で、本名はクリスタル・チョン(韓国名チョン・スジョン)。幼少期に姉である少女時代出身のジェシカと共にSMエンターテインメントにスカウトされたことを機に芸能界入りし、2009年にf(x)のメンバーとしてデビューした。歌手活動と並行して女優としても活躍し、ドラマ『ハイキック3 -短足の逆襲-』『相続者たち』『刑務所のルールブック』などに出演した。
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