“トラブルだらけ”の元プロ野球選手アン・ジマン(42)が、詐欺容疑で執行猶予付き判決を受けた。
大邱(テグ)地裁・刑事3単独のパク・テアン部長判事は11月20日、自動車ディーラーから弁護士費用の名目で数千万ウォンを借りて返済しなかったとして詐欺容疑で起訴されたアン・ジマンに対し、懲役6カ月、執行猶予2年、社会奉仕80時間を言い渡したと明らかにした。
アン・ジマンは2016年1月11日、大邱広域市西区梨峴洞(ソグ・イヒョンドン)にあるガス会社の事務室で、知人の紹介で知り合った自動車ディーラーに「弁護士を選任する費用が必要なので、お金を貸してくれれば私名義の車に根抵当権を設定し、6カ月後に元金を返す」と話し、4750万ウォン(日本円=約506万円)を振り込ませたにもかかわらず返済しなかったとして起訴された。
当時、アン・ジマンは2015年10月に発覚したマカオでの賭博行為により、所属したサムスン・ライオンズの韓国シリーズ登録メンバーから外されるなど、選手生命を事実上絶たれた状況だった。そんな中で、借金を返済する意思も能力もなかったとされている。
また、借りた金を弁護士費用に使わず、第2金融圏(ノンバンク)に抱えていた11億9800万ウォン(約1億2767万円)の負債の一部返済に充て、根抵当権を設定した車も別の債権者に渡していたことが明らかになった。
パク部長判事は「借りた4750万ウォンは少額とは言えず、被害も回復されていない」とし、「被告が被害者に1550万ウォン(約165万円)を支払った点などを考慮して刑を決めた」と量刑理由を説明した。

アン・ジマンは1983年10月1日生まれの42歳。2002年から2016年までサムスン・ライオンズに所属した投手で、KBO通算14シーズンで593試合に登板し60勝35敗15セーブ177ホールド、773奪三振の防御率3.59を記録した。特にホールド数はKBO歴代1位であり、現在も破られていない。韓国代表としても2010年広州アジア大会、2014年仁川アジア大会の2大会に出場し、いずれも金メダル獲得に貢献した。
一方でトラブルの多い選手であり、前出のマカオでの賭博行為のほか、2016年には違法な賭博サイトの開設・経営に関与した容疑で捜査を受けてシーズン中にサムスンと契約解除。これで事実上の現役引退となり、以降はユーチューブでのライブ配信などインターネット上での活動を続けた。近年は昨年に大邱で肉料理店を開き、子ども向けの野球教室を開講するなど、多彩な活動を行っている。
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