誰かにとっては朗報であり、誰かにとっては悪夢だ。大谷翔平のWBC参戦表明で、世界の野球界が一気に揺れ動いている。
大谷は11月25日、自身のインスタグラムを通じて2026年WBCへの出場を正式に表明した。
大谷のほか山本由伸、佐々木朗希ら“ジャパン・ドジャース3人衆”のWBC出場をめぐって憶測だけが先行していたなか、まずは大谷が意思を示したことで、一度広がった騒ぎを沈静化させた格好だ。

ドジャースと侍ジャパンには明らかな温度差がある。
ドジャースは3年連続のワールドシリーズ制覇を目指す立場として、投手陣をできる限り温存したい意向が強い。一方、前回王者の日本としてはメジャー組の合流は不可欠であり、特にドジャースの3人は連覇のカギを握る“最後のピース”とも言える存在だ。
ただ、最終的な決め手は大谷本人の強い意思だったようだ。世界ランキング1位の日本は今大会でも優勝候補筆頭だ。そこにドジャースを連覇へ導いた彼らが加わるのであれば、これ以上ない追い風となる。
“最強ジャパン”に戦々恐々の韓国
日本だけでなく、韓国やアメリカを含む各国メディアも大谷のWBC参戦を大きく取り扱っている。韓国はWBCの1次ラウンドで日本と同組であり、アメリカは前回大会決勝で敗れた雪辱を果たさなければならない立場にある。
山本と佐々木の出場はまだ確定していないが、大谷の宣言を受けて「いずれ2人も合流する可能性が高い」との見方が支配的だ。
もちろん、事情は一人ひとり異なる。大谷は来季に投手としての完全復帰を控えており、山本はワールドシリーズ登板による蓄積疲労の回復が課題だ。佐々木も先発ローテーションへの復帰を目指している。それでも、各メディアは「文字通り、世界最強の戦力を得ることになる」と合流を強く信じているようだ。
もし日本が“最強メンバー”を完成させた場合、国際舞台の勢力図は大きく変わることになる。
そして、そんな侍ジャパンに対して最も緊張しているチームは、宿敵の壁を10年間も越えられていない隣国・韓国なのかもしれない。


