女子バドミントン界で“韓国女王”の勢いが止まらない。アン・セヨン(23)がシーズン10勝という偉業にも満足せず、ワールドツアー・ファイナルズの頂点だけを見据えている。
アン・セヨンは11月26日にインスタグラムを更新。今月23日に終了した豪州オープン・女子シングルスで優勝した直後、両手で「10」を作ったポーズの写真とともにこう綴った。
「本当に驚くべきシーズンだ。1年で10個のタイトルを獲得するという夢のようなことが起きた。私を今年度も応援してくださったチーム、家族、そしてファンの皆さんのおかげだ。皆さんの支持がなければこの場所まで来ることは難しかった」
「でも、シーズンはまだ終わっていない。ワールドツアーファイナルズで最後まで最善を尽くす姿をお見せしたい」
桃田賢斗に並ぶ快挙なるか
アン・セヨンはオーストラリア・シドニーで行われた豪州オープンの女子シングルス決勝で、インドネシアのプトゥリ・クスマ・ワルダニ(世界ランキング7位)に2-0(21-16、21-14)で完勝し優勝を果たした。
序盤は接線が続いたが、勝負どころで集中力が光った。第1ゲームは15-16から6連続得点で一気に流れを掴み、第2ゲームも6-9とリードを許しながら一気に大逆転した。最後のポイントはジャンプスマッシュ。コート中央で両腕を広げ、両手を閉じたり開いたりするセレモニーは今大会を象徴する名場面となった。
完璧に近い優勝だった。ベスト32から決勝まで一度もゲームを落とさず、ベスト16、準々決勝、準決勝はいずれも2-0のストレート勝ち。決勝を除けば、相手に二桁得点を許したセットはわずか1度だけだった。
アン・セヨンは2025年だけで10個のトロフィーを掲げた。マレーシア、インド、オルレアン、全英、インドネシア、日本、中国、デンマーク、フランス、そしてオーストラリア。昨季に自身が樹立した9冠を上回り、女子シングルス史上初となる“単一シーズン10冠”の快挙を達成した。
彼女が見つめる先は、12月17~21日に中国・杭州で開催されるワールドツアー・ファイナルズ。シーズン成績上位8選手のみが出場できる、まさに真の“王者決定戦”だ。
ここで優勝すれば、2019年に桃田賢斗が打ち立てた男子シングルス単一シーズン最多優勝記録(11勝)に肩を並べる。最大のライバルとされる中国の陳雨菲(チェン・ユーフェイ)が出場できない見通しである点も、前人未到の快挙達成への期待を高めている。

アン・セヨンは韓国に帰国後、1日だけ休息を取り練習へ即復帰。韓国バドミントン協会は公式SNSに「2025年シーズン10勝。最後の頂へ」という言葉とともにトレーニング動画を掲載した。女王の挑戦はまだ終わっていない。
(記事提供=OSEN)


