グローバルスタンダードを志向するKリーグが更なる成長を遂げるためには、一部クラブで繰り返されるアマチュア的な運営に対し、より厳格な物差しを適用する必要がある。
Kリーグ1(1部)の光州FCは今シーズン、ピッチ外の問題で注目を集める存在となった。
今夏まで同クラブに所属していたアルバニア代表FWヤシル・アサニ(現エステグラル)の連帯貢献金未納に加え、財務健全化規定違反により韓国プロサッカー連盟から懲戒処分を受けたためだ。光州FCは2年連続で財務健全化規定に違反していたことから、賞罰委員会は制裁金1000万ウォン(約100万円)と1年間の選手獲得禁止処分を下した。

ただし、選手獲得禁止については3年間の執行猶予が設けられている。2027会計年度までに債務超過状態を解消できなかった場合、または執行猶予期間中にプロサッカー連盟財務委員会が承認した財務改善案を履行できなかった場合に、直ちに制裁を執行するとした。
一定の猶予を与えた形だが、これが「甘い処分」だとの批判を招いている。
賃金未払いでもお咎めなし!
問題はそれだけではない。Kリーグ2の忠南牙山FCは先月15日、クラブの公式SNSを通じて、賃金未払いを予告するという前代未聞の声明を発表。「景気低迷や(ホームタウンである)忠清南道地域の集中豪雨被害により、当初見込んでいた企業スポンサー収入などが計画に達しなかった」という説明だった。
しかし、サッカー界では早くから、忠南牙山の無理な選手補強や再契約が問題を招くと指摘されていた。2024シーズンのKリーグ2準優勝に酔い、財政規模に見合わない“背伸び”をした結果だと受け止められている。

だが、それにもかかわらず懲戒手続きは取られなかった。2週間後、忠清南道と牙山市が予備費として270億ウォン(約27億円)を支援したためだ。クラブライセンスもそのまま承認されたことから、賃金未払いでも実質的に何の不利益も被らない前例を作ってしまったわけである。メインスポンサー企業が企業再生手続きに入っており、来季も財政難に苦しむ可能性が高い。
来季は、坡州フロンティア、龍仁FC、金海FCの3クラブがKリーグ2に新規参入する。チーム数が増えたことで、選手年俸が倍に跳ね上がったと嘆くクラブも少なくない。市民クラブは、実質的に地方自治体に依存せざるを得ない予算構造から抜け出せないのが現実だ。財務健全化違反や賃金未払いの問題は、光州や忠南牙山だけに限った話ではない。
あるサッカー界の関係者は「財務健全化は、Kリーグの構成員として守るべき約束であり規定ではないのか。守らないのであれば強力な制裁が必要だ。これではクラブライセンス制度は何のためにあるのか」と指摘。「他のクラブが愚かだから、財務健全化規定を守るために必死で節約しているわけではない。プロサッカー連盟がより強い鉄槌を下し、規定を徹底させ、健全なリーグへと生まれ変わらせてほしい」と声を強めた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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