熱愛説は“裏切り”なのか K-POPを支える「疑似恋愛」という時限爆弾、歪んだビジネスモデルの限界 | RBB TODAY

熱愛説は“裏切り”なのか K-POPを支える「疑似恋愛」という時限爆弾、歪んだビジネスモデルの限界

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熱愛説は“裏切り”なのか K-POPを支える「疑似恋愛」という時限爆弾、歪んだビジネスモデルの限界
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所属事務所の前にはトラックが並び、オンライン上には批判の書き込みがあふれる。

いわゆる「脱オタ宣言」のリレーは、やがて株価の下落へとつながる。アイドルの熱愛説が引き起こす、事実上の「災難」だ。

最近、熱愛説が浮上したBTSのJUNG KOOKとaespaのウィンターに向けられる視線は厳しい。同じ場所、同じタトゥーといった状況証拠だけで、熱愛は既成事実として受け止められた。

「疑似恋愛」で稼ぐビジネスモデル

ファンの怒りは単なる嫉妬心に基づくものではない。「消費者を欺いた」という抗議に近い。

「いくら歌手とはいえ血気盛んな年頃なのに、ファンが過剰反応しすぎではないか」と片づけるには、問題はあまりに複雑だ。K-POP産業のビジネスモデルそのものが、「疑似恋愛」を基盤に設計されているからに他ならない。

アイドルの熱愛説後に噴き出す反応は、どこか共通している。「自分があなたに使ったお金がどれだけあると思っているのか。裏切られた気分だ」という訴えだ。これは、ファンダムの性格が、かつての純粋な「支持者」から、資本主義的な「投資家」あるいは「消費者」へと変質したことを映し出している。

BTS・JUNG KOOK(左)とaespa・ウィンター
(写真提供=OSEN)BTS・JUNG KOOK(左)とaespa・ウィンター

エンターテインメント会社はアルバムの販売枚数を伸ばすため、ファンサイン会の当選ラインを引き上げ、映像通話イベントを際限なく増やす。数十万、数百万円を支払ったファンに与えられる報酬は、アーティストとの「1対1のアイコンタクト」と「親密な会話」だ。

有料コミュニケーションプラットフォームでは、「ご飯食べた?」「君しかいない」といった、恋人さながらのメッセージが24時間送り続けられる。何百万枚ものアルバムが売れても、メガヒット曲はおろか、聞いたこともない曲ばかりが量産される背景には、こうした事情がある。

この過程で、アイドルはステージ上の「アーティスト」ではなく、金を払えば応答してくれる「仮想の恋人」として位置づけられる。徹底したビジネス論理で構築された関係の中では、アイドルの実際の恋愛は明白な「契約違反」であり、「欠陥商品」と受け取られかねない。

ファンの立場からすれば、「自分だけを見つめる恋人」を購読していたつもりが、実は他人の恋人だったと知り、返金を求めるようなものだ。「裏切り」であり、「不倫」「浮気」と解釈されるのも避けられない。

責任はアイドル個人が背負う

問題は、事務所の二重の態度にある。

マーケティング段階では、ファンの「過度な没入」を促すため、疑似恋愛のコードを積極的に利用する。メンバー同士の関係性を過剰に演出したり、ファンを「彼女/彼氏」に当てはめるコンテンツを絶え間なく供給したりする。

本能的な感情である「愛」を人質にして財布を開かせる、高度に洗練されたビジネスだ。

十分に関心を集めておきながら、リスクが顕在化すると会社は一歩引く。「私生活は確認できない」という簡単な言葉で線を引き、アーティストの人権を盾にする。収益は「疑似恋愛」で得ながら、責任は「人権」を理由に回避するという矛盾を露呈している。

怒りを一身に受け止めるのは、結局のところアイドル個人だ。

JUNG KOOKに対するトラックデモの様子
(写真=オンラインコミュニティ)JUNG KOOKに対するトラックデモの様子

表向きは華やかな歌手だが、実態は違う。パフォーマンス以上に感情労働にエネルギーを費やす。休憩時間でさえスマートフォンを手放せず、偽りの愛をささやき続ける。そして恋愛の事実が明るみに出れば、罪人のように頭を下げて謝罪する。会社が敷いた舞台で踊っていただけなのに、責任はすべてアーティストが背負う構造だ。

「疑似恋愛」はK-POPをグローバル産業へと成長させた最大の功労者である一方、今や成長を阻む足かせにもなっている。いつ爆発するかわからない時限爆弾を抱えたビジネスは、持続可能とはいえない。

アイドルは年を取らない人形ではない。感情を持った人間だ。

アーティストを「恋人代行」の商品に貶める行為を、いま一度見直すときが来ている。ファンダムもまた、金を支払ったという理由だけでアーティストの私生活を所有しようとする認識を改める必要がある。

ただ、それは不可能に近いかもしれない。すでに「疑似恋愛」の甘美さに酔いしれたK-POP産業が、容易に手放せないのも事実だ。

それでも、真剣な議論は不可欠といえる。音楽やパフォーマンスという本質ではなく、「偽りの愛」に依存する産業は、いずれ崩れ落ちる砂上の楼閣にすぎない。

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《スポーツソウル日本版》

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