今年も多くの韓国ドラマが放送されたが、最も高い視聴率を獲得した作品は何だろうか。
2025年、韓国ドラマ界で“勝ち組”となった放送局はどこだったのか。地上波3社(KBS、MBC、SBS)と、『愛の不時着』『涙の女王』を送り出してきたtvNの4局を軸に、その結果を振り返る。
苦戦したKBSとMBC
まず、“韓国のNHK”といえるKBSは苦戦に終わったといえる。
KBSは今年、『怪しい彼女』を皮切りに、『キキキキ』『ヴィランの国』『24時ヘルスクラブ』『主役の初体験、私が奪っちゃいました』『僕の彼女がイケメンになりました』など多彩なドラマを送り出したが、ヒット作は一本も生まれなかった。
するとKBSは9月、不振に陥っていた水木ドラマ枠を廃止。週末のゴールデンタイムに週末連続ドラマと土日ミニシリーズを続けて編成する大胆な改編に踏み切った。
その先陣を切ったのが、マ・ドンソクの地上波復帰作として注目された土日ミニシリーズ『TWELVE トゥエルブ』だ。

マ・ドンソクに加え、ソ・イングク、パク・ヒョンシク、イ・ジュビン、ソン・ドンイル、コ・ギュピルなど豪華キャストを揃え話題を集めたが、視聴率2%台(ニールセンコリア全国基準)という数字のまま静かに幕を下ろした。初回は8.1%と比較的高い数字で好スタートを切ったことを踏まえると、内容面への厳しい評価が視聴率低下につながったという評価だ。
その後の10月に放送された後続作、イ・ヨンエとキム・ヨングァン主演の『ウンスのいい日』も最終回で4.9%を記録して終了。目立った成果は残せなかった。
イ・ジェウク、チェ・ソンウン主演の『ラストサマー 初恋の再生』は、さらに厳しかった。視聴率1~2%台にとどまり、12月7日に1.7%で静かに終了している。

悲惨な結果に終わったのは、MBCも同じかもしれない。
MBCは今年、『モーテル・カリフォルニア』『アンダーカバーハイスクール』『バニーとお兄さんたち』『労務士ノ・ムジン』『メリー・キルズ・ピープル』『月まで行こう』『この川には月が流れる』『親切なソンジュさん』『太陽を飲み込んだ女』と、計9本のドラマを放送したが、視聴率が2桁を記録した作品はひとつもない。
『アンダーカバーハイスクール』第4話の8.3%が最高だ。『バニーとお兄さんたち』にいたっては、全12話のうち7話が0%台という悲惨な結果だった。

人気女優イ・ボヨンを擁した『メリー・キルズ・ピープル』も、第1話の3.2%が最高で、最終回は1.2%に終わった。
今年は違う意味で、「MBC演技大賞」の受賞者が予測できない状況といえる。
安定的なSBS、第1位はtvNのドラマ
地上波のなかで奮闘したのは、SBSで間違いないだろう。
今年、SBSで最大のヒット作となった『埋もれた心』は、最高視聴率15.4%を記録した。生き残るために2兆ウォンの政治裏金口座をハッキングしたソ・ドンジュ(演者パク・ヒョンシク)が、自らを死に追いやった悪とその世界を崩壊させる復讐劇だった。

また、ハン・ジミンが主演した『わたしの完璧な秘書』の12.0%をはじめ、『鬼宮(ききゅう)』(11.0%)、『私と結婚してくれますか?』(9.1%)、『カマキリ』(7.5%)、『TRY ~僕たちは奇跡になる~』(6.8%)などが安定した結果を出しており、放送中の『復讐代行人3~模範タクシー~』も12.3%(第8話)と好調だ。
社会現象と呼べるほどの大ヒット作こそなかったものの、多様なジャンルで安定した成果を収めた1年だったといえる。
『涙の女王』や『愛の不時着』、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』など、日本でもヒットしたドラマで知られるtvNの2025年はどうだったか。
最も目につくのは、イ・ミンホとコン・ヒョジンが主演し、制作費500億ウォン(約50億円)をかけた『星がウワサするから』の失敗だろう。第2話の3.9%が最高視聴率で、1%台の回もある大惨敗だった。その後の『ジャガイモ研究所』『離婚保険』も2~3%台に終わっている。

それでも『賢い医師生活』のスピンオフ作品『いつかは賢いレジデント生活』が8.1%と一定の結果を残すと、『未知のソウル』(8.4%)、『瑞草洞<ソチョドン>』(7.7%)、『シン社長プロジェクト』(9.1%)、『テプン商事』(10.3%)と悪くない視聴率だった。

今年のtvNを代表する作品は、『暴君のシェフ』で異論はないだろう。最終回で視聴率17.1%を記録し、歴代tvN土日ドラマ視聴率ランキング5位にランクインしただけでなく、Netflix非英語圏TVショー部門で2週連続1位を獲得するという、tvNドラマ初の記録も打ち立てた。
この作品で少女時代のユナはシェフのヨン・ジヨン役を務め、幅広い演技力で作品の軸を支え、女優としての底力を改めて証明。撮影開始の約1カ月前に暴君イ・ホン役として緊急投入されたイ・チェミンも、期待以上の演技を披露し、高い評価を得た。

今年は地上波3社とtvNで、ドラマの成績が鮮明に分かれる一年となった。視聴率、話題性ともに明暗が交錯するなか、年末の演技大賞では、どの作品と俳優が評価されるのかが一つの注目点となりそうだ。
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