韓国では明日、2026年1月1日から、いわゆる「ク・ハラ法」が施行される。
12月30日、韓国の大法院(最高裁)は来年上半期から変わる主要な司法制度を発表した。その1つとして注目を集めているのが、この「ク・ハラ法」だ。
同法では、被相続人の直系尊属(親など)が、被相続人が未成年だった当時に扶養義務に重大に違反していた場合や、被相続人またはその配偶者・直系卑属に対して重大な犯罪を犯したり、著しく不当な待遇をしたりした場合、相続権を剥奪できるようになる。
実際に相続権を失わせるには、被相続人の遺言、または共同相続人などが請求し、家庭裁判所がこれを認める必要がある。
「ク・ハラ法」は、アイドルグループKARAのメンバーだった故ク・ハラさんの実兄であるク・ホイン氏が、立法を求めたことをきっかけに動き出した。ク・ハラさんは2019年11月24日に28歳で世を去ったが、その後、実母が突然現れて相続をめぐる争いが起きた。

実母はク・ハラさんが9歳の頃に家を出ており、連絡も途絶えていたが、約20年ぶりに弁護士を伴って葬儀場に姿を見せたとされる。それにもかかわらず、ク・ハラさんの不動産売却代金の半分を求めたと伝えられ、世論の反発を招いた。
これを受け、ク・ホイン氏は養育義務を果たさなかった実母を相手取り、相続財産分割の審判を申し立てた。光州家庭裁判所は養育してきた父親の寄与分を認め、相続割合を6対4と判断した。その後、2020年3月から「ク・ハラ法」の立法請願が進められ、国会で法案が発議されるに至った。
ただ、法案は与野党の対立もあり、第20代・第21代国会では任期満了により廃案となった。それでも第22代国会で、ク・ハラさんの5回忌を約3カ月後に控えた時期に本会議を通過し、明日から本格的に施行される。


