29日、日向坂46の松田好花の卒業セレモニーがTOYOTA ARENA TOKYOで開催された。



松田は2017年にグループの二期生としてデビュー。その高いトーク力を活かしてラジオ『オールナイトニッポンX(クロス)』の木曜パーソナリティを担当するなど、多方面での活動でグループを支えてきた。“涙腺が弱すぎる”ことでも知られる松田らしく、ラストステージとなるセレモニーも温かい涙であふれたものになった。
開演前の影ナレは、松田と同期の金村美玖、小坂菜緒の3人が担当。「今日は最高の一日にするぞー!」と叫ぶと、会場も大歓声で応えた。ライブは前キャプテンの佐々木久美がセンターを務めていた「君は0から1になれ」で開幕。松田は幼少期からバレエに打ち込んでいた経験を活かし、しなやかで華のあるダンスで観客を魅了した。続いて「青春の馬」では、センターの小坂菜緒とともにグループ全員でいきいきとパフォーマンス。間奏では小坂と松田がこの曲で初めてとなるペアダンスを披露し、会場を沸かせた。


最初のMCで松田は「ステージでできることは全部出しきって帰りたいと思いますので、みなさんよろしくお願いします!」と意気込みを語った。三期生の上村ひなのは、そば打ちが得意な松田について「好花さんが作るお蕎麦が世界一おいしい」と絶賛。今回のイベントでは、そば職人の格好をした松田のアクリルスタンドなどがグッズとして販売されているが、メンバーの楽屋にもそば屋風ののれんがかけられていたりと、裏側まで“松田一色”になっていることも明かされた。

ここからは松田が参加してきたユニット曲を披露。「ナゼー」を大野愛実、松尾桜と、「10秒天使」を上村ひなの、竹内希来里、佐藤優羽と歌唱。さらに二期生で歌ってきた「自販機と主体性」を金村美玖、小坂菜緒に加え、高橋未来虹、小西夏菜実、蔵盛妃那乃とともにパフォーマンスした。

松田がメンバーへの思いを語るVTRを挟み、ここからは本人が選んだ楽曲を各期生と披露するパートへ。強く戦う意志を込めた「錆つかない剣を持て!」を五期生と、仲間への思いを綴った「君のため何ができるだろう」を四期生と歌った。三期生とは、2018年に発表された二期生の楽曲「最前列へ」をパフォーマンス。VTRでも三期生のことを「愛情の塊みたいな子たち」と評して涙を流していた松田だが、歌唱中にも感極まって涙を浮かべていた。二期生の金村美玖、小坂菜緒とは、かつて一期生の3人が歌っていた「Instead of you」を披露。メンバーとの絆や卒業について歌ったこの曲は、今日の彼女たちにぴったりの内容で、歌唱後には観客から長い拍手が送られた。

MCでは、先程のステージでも泣いていた森本茉莉が「泣いてないですよ」と強がりながらも、後輩の相談を親身になって聞いてくれた松田に感謝して涙をこぼした。今日は円陣のときから泣いていたという佐藤優羽は、松田が“各期の天使枠”を集めたという「10秒天使」の歌唱メンバーに選ばれたことに感謝しつつ、「一生好花さんの天使でい続けたいです」と告白した。
ここからは、松田の盟友で「花ちゃんズ」というユニットも組んでいた富田鈴花(卒業済み)と一緒に歌っていた楽曲を披露。「線香花火が消えるまで」を金村美玖と踊り、「まさか 偶然...」をアコースティックギターで弾き語りした。「まさか 偶然...」の後半では、松田と師弟関係にある四期生の山下葉留花がアコギを持って登場。「花ちゃんズ」のユニットカラーである黄色のサイリウムに染まる会場で、ともにハーモニーを奏でた。
次のパートは、にぎやかな全体曲が並ぶ。「一生一度の夏」に続いて、日向坂46の前身・けやき坂46時代の楽曲「ひらがなで恋したい」をパフォーマンス。松田の脇を正源司陽子と藤嶌果歩が固め、満面の笑顔で歌った。さらに、全員がタオルを持って登場。ファンと一緒にタオルを振り回しながら、「好きということは...」を歌唱。松田はひとりトロッコに乗り込み、アリーナから3階席までぎっしり入った観客とコミュニケーションを取った。ここで特徴的なピアノのイントロが流れると、ファンが即座に反応。五期生の大野愛実がセンターを務める最新シングル表題曲「クリフハンガー」の、ライブ2度目となるパフォーマンスが行われた。
本編最後の楽曲は「アザトカワイイ」。日向坂46のアイドル的な「カワイイ」側面を象徴する曲だが、松田が休業していた頃、テレビでこの楽曲を歌うメンバーに元気をもらっていたという過去がある。そんな思い入れの深い楽曲をメンバー全員で元気いっぱいに踊り、本編を終えた。
ファンからの大きな「このちゃん」コールを受けて再び客席の照明が落とされると、松田のこれまでの道程をたどるVTRが流れる。続いて、華やかな花の刺繍があしらわれたドレスに身を包んだ松田と、同期の金村美玖、小坂菜緒が登場。3人で「沈黙が愛なら」を歌った。



ここで、松田が卒業スピーチを行なった。「改めまして皆様、アンコールありがとうございます。今からお話をさせていただきたいと思います。まずは、今日この会場にお越しの皆様、配信で見てくださっている皆様、今日という日に、私の卒業に心を寄せてくださった皆様、本当にありがとうございます。このドレスにあしらわれている緑の柄には、希望を持ち得るだとか、新たな気持ち、といった花言葉があります。ドレスのデザイン案を出してくださった際に、花言葉まであわせて伝えてくださり、細部まで時間をかけてこだわって、こんなにも素敵なドレスを仕上げてくださったこと、とても感謝しています」
松田は手紙を読み上げる形でスピーチを続けた。「好きという気持ちと好奇心がきっかけで受けた、ひらがなけやき坂46(けやき坂46)追加メンバーオーディション。アイドルや芸能界をはじめから目指してたというわけではなかった私ですが、この世界でアイドルとして活動して、気づけば約8年半経っていました。これだけの期間続けることができたのは、これからもこの世界で頑張りたいと思うことができたのも、ひらがなけやき坂46、日向坂46のメンバーになれたからだなと思っています。そして、ここで活動することがあまりに楽しく幸せで、やりがいを感じていたからだと思います」
「そう感じることができたのは、出会えたメンバーや共演者の皆様、スタッフさん、支えてくれた家族や友人、そしてファンの皆様が、素敵な人であふれていたからだなと思います。そして、この場所でたくさんの夢を叶えて、この場所でできることはやりきった。そう思うことができたので、次に進む決意をしました」
「卒業発表からの約2ヶ月間は、信じられないほどあっという間に過ぎていきました。どんなに大切に大事に歩もうとしても、時間は待ってくれず、等しく過ぎていって、自分で決めたのにも関わらず、寂しさを覚えてしまう日がたくさんありました。日向坂46としてのいろんなことの最後を迎えて、その度に胸がいっぱいになって、真正面から受け止めるとくらってしまって、動けなくなってしまいそうなくらいに、たくさんの愛とねぎらいの言葉をいただきました」松田は各期生への思いも語った。五期生には「これからもその姿勢を忘れずに、たくさん先輩のことも頼って、大きな背中を見て、たくさん成長していってください」、四期生には「最高最強四期生なら、最高最強日向坂にできる。私はそう思います」と激励した。
三期生については「私には三期生全員が、仏に見えています」と語り、「私は三期生には誰よりも自信を持って、堂々とそこにあり続けてほしいなと思います。先頭に立って、みんなに頼もしい背中を見せてあげてください」と伝えた。
同期の二期生については「卒業していったみんなの活躍も、なおみく(小坂菜緒&金村美玖)の活躍も常に意識をしながら活動に励んでいました。同期の存在は特別で、離れていても近くにいても、刺激をもらう日々です」と語った。小坂と金村には「たくさんふざけたことばかりいう私で、頼りなかったかもしれないけれど、あまりにふたりが頼もしすぎて、ずっとヘラヘラしちゃいました。気を許せる関係で温かくて、すごく支えられました。これからの日向坂を頼んだよ。またすぐご飯にも行こうね」と呼びかけた。
一期生には「私にとって唯一の先輩、一期生のみなさまがご卒業されてから、ぽっかりと心に穴が開いたような気持ちで。そこでようやく、これまでしてきてくださったことの重大さや偉大さを、ひしひしと感じるようになりました。私たちに大きな背中を見せ続けてきてくださり、本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
ファンには「皆様の期待に応えられるアイドルになりたい。喜ぶ顔が見たい。それが私の頑張る理由でした。明るい未来を夢見れるようになったのは、ファンの皆様の応援があったからこそです。本当にありがとうございました」と語った。
「今日は卒業セレモニーということで、ステージに立つのは最後となり、別れを感じ寂しく思ってしまいますが、今日のこのセレモニーを通して、皆様にこれからの日向坂への希望を感じ取ってもらえていたら、とても嬉しいです。いかがでしたでしょうか。日向坂、最高ですよね」「私自身も、未来への希望を持ち得ることができた、そんな日になったと感じています。新たな気持ちで、また歩み始める覚悟ができました。卒業セレモニーは終わってしまいますが、2月いっぱいまでは日向坂46として、活動を残り1ヶ月間全うして、全て出し切りたいと思っておりますので、最後までどうぞよろしくお願いします。改めて、今まで本当にありがとうございました!」
スピーチ後には、全メンバーがステージに登場し、ひとりひとり松田に花を手渡していく。五期生の大野愛実には「大丈夫だよ、大野愛実氏。頼んだよほんとに」と、新センターへの励ましの言葉がおくられた。四期生の山下葉留花は「ラブレター」を用意。「これから師匠のようになるという目標を掲げて、たくさんチャレンジしていきたいと思います!」と抱負を語った。
三期生の山口陽世は、松田と「このっぱる」というコンビ名を名乗っている仲。松田にとって最後の参加となった昨年のツアーで、長く話した思い出を涙ながらに語った。
二期生の金村美玖は、「私は今、ハスらずに(格好をつけずに)本心を言おうと思います」と前置きしてから、「このちゃんが大好きです。そして尊敬してます」と伝えた。

最後に小坂菜緒が松田の前に立つと、ふたりはしばらく見つめ合って涙を流す。小坂は、グループに加入した頃、関西から松田と同じ新幹線に乗って東京に通っていた思い出を語る。そして「日向坂にたくさんの夢を見させてくれて、ありがとうございました。日向坂の一番の功労者だと思います」とねぎらった。
セレモニーのラストは、松田が作詞した楽曲「涙目の太陽」。46グループで全員曲の歌詞をメンバーが手掛けるのは初めてのことだが、松田は自身の卒業ソングとしてでなく、未来の日向坂46におくるメッセージとして歌詞を書いたという。グループの日常の一コマも織り込まれた心のこもった曲を、メンバーたちは笑顔で歌った。

最後に感想を求められた松田は、再び「大野愛実氏、頼んだよ!」と声を掛ける。どこまでもグループの未来を考える、松田らしいラストステージだった。
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