世界を席巻する韓国エンタメの熱狂は、果たして本物なのだろうか。
華やかなスポットライトの裏側で、アジア人スターたちが直面している「冷ややかな現実」が今、物議を醸している。
それは先日、イタリア・ミラノで開催された「ドルチェ&ガッバーナ」のファッションショーでのことだった。
会場でキャッチされた韓国トップ俳優チョン・ヘインの姿は、多くのファンを困惑させた。歌手のベンソン・ブーンと俳優のケレム・バーシンに挟まれた彼は、肩をすぼめて困惑したような表情を浮かべていたのだ。まるで場違いな空間に来てしまったかのように。
さらに火を注いだのは、その動画をSNSで公開したメディア『GQ』の対応だ。隣り合う2人のアカウントのみをタグ付けし、そこに存在するはずのチョン・ヘインをまるで“透明人間”のように扱った事実は、単なるマナーの問題を超え、現場レベルでの「アジア人アーティストへのリスペクト不足」を象徴する出来事となった。
繰り返されたデジャヴ ロゼへの不当な扱い
こうした事態は、今回が初めてではない。昨年、BLACKPINKのロゼが「サンローラン」のショーに出席した際も、ファッション誌『ELLE UK』が公開した集合写真で、彼女一人だけが背景の影のように暗く処理されるという騒動が起きた。


のちに「サイズ調整のミス」と釈明されたが、世界最高峰のメディアがアジアを代表する歌姫に対して、これほど初歩的なミスを犯したという事実にファンは根深い違和感を抱いた。
「消費」はされるが「尊重」はされない矛盾
今やラグジュアリーブランドにとって、アジア人スターは喉から手が出るほど欲しい「最強の広告塔」だと言える。
最近では、IVEのレイとリズが「ヴァレンティノ」のアンバサダーに抜擢されたことが大きな話題となった。彼女たち以外にも、BTSやBLACKPINK、SEVENTEENらが世界有数のブランドの顔を務めることは、今や日常の風景だ。ブランド側は、彼らがもたらす莫大な経済効果とSNSのインプレッションを狙って、巨額の契約を結ぶ。
しかし、今回のチョン・ヘインの件が示したのは、業界の中枢が彼らを「対等なアーティスト」としてではなく、単に「数字を稼いでくれる記号」として消費しているのではないか、という切実な疑念だ。
表面的な流行の先にある、真の評価とは
『イカゲーム』やK-POPが世界を席巻しているというのは、もはや疑いようのない事実である。しかし、それが本当の意味で「文化的なリスペクト」を伴っているのか、それとも一時的なビジネス上のトレンドとして利用されているだけなのかは不明だ。
画面越しではなく、彼ら本人は現場でどのような視線を向けられているのか。SNSのタグ一つ、写真の加工一つに、業界の“本音”が透けて見える時代。「世界の顔」として選ばれた彼らに私たちが本当に望むのは、豪華な宣材写真の中に収まる姿ではなく、一人の表現者として正当な敬意を払われる当たり前のことではないだろうか。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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