「泥沼化」という言葉がこれほどふさわしい展開はないだろう。
韓国プロ野球、キウム・ヒーローズにドラフト1位で指名された新人投手パク・ジュンヒョンの“いじめ疑惑”は、ついに長期の法廷闘争へと突入した。
争点は「証拠をめぐる攻防」へと移るなか、被害者側には新たな懸念も浮上している。それは“卒業”というタイムリミットの問題だ。

現時点で、両者の主張は鋭く対立している。パク・ジュンヒョン側は、被害者に対して「女狂い(ヨミセ)」と不適切な発言をした点については認めているものの、集団による無視や継続したいじめ行為については「一切なかった」と全面的に否定している。
対して、被害者側の認識は真っ向から対立する。 被害者は単なる暴言だけでなく、執拗に罵る内容のSNSメッセージを送りつけられたと主張。さらに、集団いじめによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したとも訴えている。被害者の父親は公の場で「もはや許すつもりはない」と、強い憤りを露わにしている。
行政判断上、いじめ行為そのものは認定されている。しかし、この処分を不服としたパク・ジュンヒョン側が訴訟を提起したことで、被害者側は「呆れるしかない」と反発。事態は混迷を極めている。

問題の発端は、彼らが高校1年生だった2023年にさかのぼる。一度は「いじめには該当しない」と判断されたものの、2024年9月にキウムからドラフト1位指名を受けた直後、上級機関である教育庁がいじめを認定。書面による謝罪を命じる処分を下した。だがパク・ジュンヒョンはこれに応じず、2025年12月、行政訴訟および執行停止の申請という法的手段に打って出たのである。
被害者側の法的代理人を務める法律事務所テグァンは、「訴訟はまだ初期段階だ。身元が特定されない範囲で、証拠の一部を公開することも検討している。野球を辞めた元選手たちの中からも証言を得ている」と、強気の姿勢を見せる。
一方で、懸念されるのが“時期”だ。テグァン側は「判決が出る頃には加害者が高校を卒業している可能性が高い。卒業してしまえば学校側の処分は実行できず、裁判所が“訴えの利益がない”として門前払いにする可能性がある」と指摘。パク・ジュンヒョン側が判決を卒業後まで引き延ばす「時間稼ぎ」をしているのではないか、という疑念を滲ませた。

対するパク・ジュンヒョン側は一貫して潔白を主張している。1月の声明では「いじめが始まったとされる時期、本人は怪我の治療中で学校生活を十分に送れていなかった」と反論。キャンプ地での取材でも、「自分がやっていないことまで事実として固まってしまうのは、どうしても受け入れられない」と、自身の正当性を訴え続けている。
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