近年のBLACKPINKを見ていると、単なる人気グループという枠組みをすでに超えていることに気づかされる。
むしろ「グループでありながら、個別ブランドの集合体でもある」という、K-POPでも極めて特殊な立ち位置に到達したと言えるだろう。
ステージの上では一つのグループとして機能しながら、ステージの外ではそれぞれが独立したキャリアを積み上げていく。この構造自体が、BLACKPINKというブランドに立体的な奥行きを与えている。
転機となったのは、2024年のYGエンターテインメントからの独立だった。

ジェニーは「ODD ATELIER」、ジスは「BLISSOO」、リサは「LLOUD」を設立し、ロゼはTHE BLACK LABELに加入した。いわば“分散型BLACKPINK”とも言える体制への移行だった。
当時は、個人活動とグループ活動の両立が中途半端になるのではないかという懸念も確かに存在した。しかし結果的に、その懸念は現時点では杞憂だったと言える。
象徴的なのがリサの動きだ。最近ではNetflix制作のラブコメ映画で主演を務めることが決定した。『ノッティングヒルの恋人』から着想を得た作品とされ、単なる出演にとどまらず総括プロデューサーとしても参加している点は、アーティストが制作領域へ踏み込む現在の潮流とも重なる。
さらに、世界的ヒットシリーズ『エクストラクション』と世界観を共有するNetflix映画『タイゴ』にも参加。マ・ドンソクと共演するアクション作品という選択は、グローバル市場を強く意識した戦略とも読み取れる。

ジスは俳優路線を最も明確に打ち出しているメンバーだ。Netflixシリーズ『マンスリー彼氏』主演をはじめ、『スノードロップ』以降、着実にフィルモグラフィーを積み重ねている。K-POP出身俳優にありがちな単発出演ではなく、継続性を重視している点が特徴的だ。
ジェニーはHBOドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』で俳優デビューを果たした。作品自体は賛否を呼んだが、国際的議論の中心に名前が置かれたという点で、グローバルスターとしての存在感はむしろ強まった側面もある。


一方でロゼは、4人の中で最も「音楽」という本流に軸足を置いている。今年のグラミー賞で3部門にノミネートされたという点は、K-POP女性ソロアーティストとして歴史的な成果と言っていい。受賞こそ逃したものの、ブルーノ・マーズとコラボした『APT.』の人気ぶりそのものが否定されるわけではない。

興味深いのは、この4人がそれぞれ異なる方向に進みながら、グループとしての価値を損なっていない点だ。
むしろ個々の成功が、そのままBLACKPINKというブランドの価値上昇に直結している。これは従来のK-POPグループ像とは異なる、新しいモデルケースになりつつある。
現在進行中のワールドツアーは、その象徴とも言えるだろう。個人として世界市場に立ちながら、グループとして再び同じステージに立つ。その往復運動こそが、BLACKPINKの現在地を示している。
分裂ではなく、分化。そして統合。BLACKPINKは今、グループという概念そのものを更新しようとしているのかもしれない。
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