仕事を失った者も…パワハラを苦にこの世去った韓国フリーキャスター事件の余波 制度廃止は正解なのか | RBB TODAY

仕事を失った者も…パワハラを苦にこの世去った韓国フリーキャスター事件の余波 制度廃止は正解なのか

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仕事を失った者も…パワハラを苦にこの世去った韓国フリーキャスター事件の余波 制度廃止は正解なのか
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職場でのいじめ問題を苦に、この世を去ったとされる韓国の女性気象キャスター、オ・ヨアンナさん。

遺族による長期のハンガーストライキと再発防止要求を受け、悲劇の舞台となった放送局MBCは、フリーランスの気象キャスター制度を廃止する決断を下した。

【画像】“加害者”とされる気象キャスターたち

発端は2024年にさかのぼる。フリーランス気象キャスターだったオ・ヨアンナさんが、亡くなっていたことが公表された。

報道によると、後に発見されたスマートフォンには、原稿用紙約17枚分に相当する手記が残されていたという。そこには生前、職場でいじめやハラスメントを受けていたと受け取れる内容が記されていた。

2025年5月、韓国雇用労働部はMBCに対して特別労働監督を実施。その結果、オ・ヨアンナさんは労働基準法上の「労働者」には該当しないと判断された一方、組織内でいじめと見なされ得る行為があったとの認定が示された。遺族は、加害者と指摘された同僚を相手取り、損害賠償訴訟を起こしている。

MBCは、故人の死亡から1年となった昨年9月、フリーランス気象キャスター制度の廃止とともに、「気象・気候専門家」の正規職採用方針を発表した。会社側は既存人員も応募可能だと説明したが、制度転換の過程では混乱も続いた。

同年10月には、MBC社屋でMBCと遺族による合同記者会見が開かれた。アン・ヒョンジュン社長は謝罪するとともに、故人を名誉社員として追悼し、「二度と同じことが繰り返されないよう、組織文化を変えていく」と表明した。あわせて、協力担当部署の新設、フリーランスを含めた苦情処理窓口の整備、職場いじめ防止教育の強化などを約束した。

オ・ヨアンナさん
(写真提供=OSEN)オ・ヨアンナさん

故人の母親は「再発防止が最も重要だ」として、フリーランスや非正規雇用の構造的問題の改善を求めた。27日間に及ぶハンガーストライキの末に暫定合意に至り、「形だけの対策で終わってはならない」と強調した。一方で「正規職化のために闘ってきたが、職を失う結果になってはならない」との懸念も示し、制度の趣旨が待遇改善なのか、構造調整なのかをめぐる議論も浮上した。

こうした中、MBCは2月9日、既存のフリーランス気象キャスターとの契約終了を発表。「新規採用した人員は実務教育を経て、順次番組に投入される予定」と説明している。

契約終了となったキャスターの1人、キム・チェリムはSNSで「約5年間、胸が高鳴る思いで天気を伝えてきた。愛していた仕事と別れるのは残念だが、新たなスタートを準備する」と投稿した。彼女はオ・ヨアンナさんの同期として知られている。

MBCは再発防止と組織文化の改善を強調しているが、一部では「制度廃止が既存人員の雇用喪失につながった」との批判も出ている。一方で、「フリーランスという構造の脆弱性を浮き彫りにした事件を受けた、不可避に近い制度転換」とする見方もある。

今回の問題は、一個人の悲劇にとどまらず、韓国放送業界におけるフリーランス雇用構造と労働保護の空白を浮き彫りにしたとの評価もある。再発防止策が現場でどのように機能するのか、そして制度転換が実質的な改善につながるのかが引き続き注目される。

◇オ・ヨアンナさん プロフィール

1996年4月30日生まれ。韓国・光州出身。ソウル芸術大学の文芸創作科を卒業。一時はアイドル練習生を目指し、2017年に行われたJYPエンターテインメントの練習生13期公開オーディションに参加。「Hermoso Beauty賞」を受賞し、副賞として3カ月の受講券を受け取った。同オーディションの同期にNiziUのマコ、Stray Kidsのスンミン、元FANATICSのユンヘなど。以降、2019年5月に行われた韓国の伝統美人を選抜する「全国春香(チュニャン)選抜大会」で「スク」に選出。2021年、地上波テレビ局MBCの気象キャスター公開採用に合格し、同局で活動を続けた。しかし2024年9月15日、28歳でこの世を去った。

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《スポーツソウル日本版》

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