演技が終わると、フィギュアスケート選手チャ・ジュンファンは、そのまま氷の上に座り込んだ。両脚を真っ直ぐ伸ばしたまま、しばらく息を整えた。悔しさがよぎったが、すぐに明るい笑みが浮かんだ。すべてを出し切ったという清々しさが滲み出ていた。
2月14日、チャ・ジュンファンは「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」フィギュアスケート男子シングル・フリーで181.20点を記録した。
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ショートプログラムの92.72点を合わせ、合計273.92点。最終順位は4位だった。銅メダルの佐藤駿との差はわずか0.98点だった。
この日、チャ・ジュンファンの最初の4回転サルコウは完璧だった。しかし、続く4回転トウループで転倒した。フェンスに激突する危うい場面。この1度のミスで、メダルに繋がらなかった。それでも彼は揺らがなかった。『狂人のためのバラード』に合わせ、美しく演技を終えた。
競技後、取材に応じた彼は、「1度転倒してペースが少し乱れた。それでも、その瞬間から『このミスも自分の一部だ』と考えた」として、「諦めずに最後まで最善を尽くそうとした」と語った。
ミスを淡々と受け入れた。そのためか、その後のスピンやステップ、ジャンプはむしろより力強くなった。合計点が発表され、4位が確定した。0.98点差でメダル獲得には届かなかった。誰よりも悔しいはずの結果だ。しかし、彼の視線は少し違っていた。
チャ・ジュンファンは、「五輪がどのように締めくくられるか、ずっと考えていた」として、「けれど結局、最も重要だったのは自分自身に集中し、最善を尽くすことだった。その部分においては、本当に誠実だったと自負している」と明かした。

続けて、「順位で見れば、当然悔しい。しかし、ショートとフリーの両方で未練なくすべてを注ぎ込んだ。その過程で得られた達成感の方が大きい」と付け加えた。
ミラノは、いつの間にか3度目の五輪だ。彼は、2018年の平昌(ピョンチャン)で15位、2022年の北京で5位、そして今回のミラノで4位。五輪の舞台で毎回順位を上げてきた。韓国男子フィギュア史上最高順位も塗り替えた。
4年後の挑戦に関する質問には、笑みを浮かべた。彼は、「今、競技が終わった。過去4年間、諦めずに走ってきた。目標を1つずつ達成してきた」として、「今回の五輪が必ずしも最後だとは言わない。本当に次も出場することだってあり得る」と笑った。加えて、「ただ今は、自分に息をつく時間をあげたい」と話した。
氷の上に座り込んだあの瞬間のように、彼はしばし立ち止まった。メダルには届かなかったが、自分自身に対して堂々としていた。「すべてを出し切った」という彼の一言が、どんなメダルよりも重く響く理由だ。
◇チャ・ジュンファン プロフィール
2001年10月21日生まれ。韓国・ソウル出身。身長178cm。趣味は音楽、映画鑑賞。韓国のバラエティ番組で東方神起のユンホと共演したこともある。その長身と甘いマスクから海外でも人気が高く、愛称は「ベイビージュン」「ジュンリエット」「チャーミングジュン」など。2022年北京冬季五輪では韓国男子フィギュア史上初となる5位入賞を果たした。ジュニア時代にはK-POPボーイズグループENHYPENのメンバー、ソンフンと同時期に活躍していたというエピソードも。2022年12月の『SBS歌謡大典』ではソンフンとのコラボステージを披露して注目を集めた。
■【画像】チャ・ジュンファン&ミラノ聖火ランナーのENHYPEN・ソンフン、伝説のコラボステージ


