16日、 織田裕二主演のNHK特集ドラマ『アンダークラス』(BSP4K・BS)の制作決定が発表された。同作は2023年に放送され、派遣労働会社の闇に鋭く迫ったドラマ『ガラパゴス』の続編。2026年秋冬に全2回で放送される。
特集ドラマとは、独自のテーマや野心的な企画を描く特別なドラマ枠。同作は、織田演じる田川信一と、宮内ひとみ演じる木幡の刑事コンビが、事件の解明に奔走しながら再び社会の巨悪を暴くヒューマンミステリーだ。

物語は雪荒ぶる秋田県能代市、施設入居者の老女が近隣の水路から遺体で発見されるところから始まる。容疑者となったのはベトナム人見習いヘルパーのアイン。以前、外国人技能実習生として神戸の縫製工場で働いていた彼女には、劣悪な労働環境に耐えかね失踪した過去があった。 その後、東北に流れ着いたアインは、重篤なガンを患った老女に請われて「自殺をほう助した」との自供を始める。しかし、警視庁継続捜査班の田川は、遺体の「手」に疑いを抱く。
主演の織田は「前作『ガラパゴス』は、日本企業の闇が描かれておりショッキングだった。窓際刑事の田川が再び戻ってくる。木幡はどうしているんだろう」とコメント。「前作『ガラパゴス』では、暑い夏の沖縄や名古屋、三重でロケをした。今回の『アンダークラス』は真冬の秋田と神戸が舞台だ。撮影は過酷だろう(笑)。気心知れたスタッフたちと身体に鞭打って頑張ります」と意気込みを語った。
原作者の相場英雄氏は「『アンダークラス』の構想を練り、取材を始めたのは約7年前のこと。当時の世相を切り取り、様々な人たちから話を聞き、あちこち歩き回った後にストーリーを紡ぎ出した」と振り返る。さらに「私の著作の多くが〈近未来で起きて欲しくない事〉を描き、最終的に〈著者が想像していたよりもずっと早く現実になる〉パターンを繰り返してきた。本作も同様で、現在の日本社会は作家の想像よりもはるかに痛んでしまった。直視したくないヒリヒリした現代の世相をキャストの皆さんがどう演じ、スタッフの皆さんがいかに切り取るのか。多くの視聴者に突きつけてもらいたい」と期待を寄せた。
演出を手がける若松節朗氏は「戦後に生まれ高度経済成長期、バブル時代を経て安全で平和な国を歩んできた私たちの世代。そんな日本の豊かさが揺らいでいる。私たちの心に刀を突き刺すような現実、そしてこの構造はどんな未来へ向かっているのか、見届けていただきたい」と語る。「前作『ガラパゴス』は暑すぎる真夏だったが、今回は雪深い真冬の撮影。舞台は寒風吹く秋田、海と山が美しい貿易都市・神戸、そして眠らない街・東京。それぞれの場所に心の凍てつく人たちがいた。田川、木幡の刑事コンビは前作『ガラパゴス』に勝るどんな推理で犯人にたどり着くのか。御期待下さい」と視聴者にメッセージを送った。
制作統括の八木康夫氏は「『富める者はますます富み、貧しいものはますます貧しくなる』。『ガラパゴス』の放送からわずか3年しかたたないうち、想像をはるかに越えるスピードで人々の格差が拡大している」と現状を憂う。「その現実を覆い隠そうと、ある人たちは『外国人が優遇されている』とより弱い立場の人々に攻撃の矛先を向けている。一つの事件をきっかけに、田川、木幡刑事のコンビがその欺瞞に立ち向かう。外国人の協力なくしては、やっていけないこれからの日本。一人でも多くの視聴者に是非ご覧いただきたい」と作品への熱い思いを述べた。





