わざわざ国籍を変えた結果がノーメダルだ。
中国への帰化を選び、8年ぶりに冬季五輪の舞台に立った中国代表イム・ヒョジュン(中国名:リン・シャオジュン)のことである。
イム・ヒョジュンは、2月19日(日本時間)に行われた2026ミラノ・コルティナ五輪のショートトラック男子500m準々決勝に出場し、40秒638の3組4位でレースを終えた。1周111.12mのリンクを4周半走る同競技では、上位2名と3着のタイム上位2名が突破するという仕組みだ。
彼は“まだ韓国人”だった2018年の平昌大会で、ショートトラック男子1500m金メダル、500m銅メダルを獲得した韓国のスターだった。しかし翌年、代表合宿中に同性の後輩選手のズボンを下ろす“いたずら”をしたとして、大韓氷上競技連盟から選手資格1年停止の重い懲戒を受けた。
事件は強制わいせつ容疑へと発展したが、法廷争いの末に無罪判決という結果に。その後、裁判の過程では2022年北京五輪への出場に言及し、中国帰化を選択した。
ただし「選手が国籍を変更して五輪に出場するには、以前の国籍で出場した国際大会から3年が経過していなければならない」という国際オリンピック委員会(IOC)憲章の規定により、北京大会出場は実現しなかった。
そのため、長期間、中国国内の大会にしか出場できていなかったイム・ヒョジュン。2022年9月に中国代表に選ばれると、2022~2023シーズンの国際スケート連盟(ISU)ショートトラックワールドカップで国際舞台に復帰した。昨年のハルビン冬季アジア大会では韓国選手と競い、2025~2026シーズンのワールドツアー第3戦男子500mで銀メダルを獲得するなど調子を取り戻した。そして今回、満を持して五輪の舞台に復帰した彼は、表彰台に上がる意欲を強く見せていた。
ただし、選手としてのピークはもう過ぎていたようだ。

2000m混合リレーでは予選のみ出場。準決勝ではメンバーから外れ、中国チームは敗退。その後、個人戦1500m準々決勝では転倒して敗退し、1000mでも準々決勝で姿を消した。そして今回、最後に残った500mにすべてを懸けるしかなかったが、結局準々決勝で再び夢を断たれた形となった。
彼は五輪開幕直前、中国メディア『シナスポーツ』のインタビューで「最初は適応の時間が必要だったが、今は自分を中国人だと思っている。中国の国歌が流れると誇りを感じる」と語り、帰化という選択が間違っていなかったことを証明したいというニュアンスを示す発言をしていたが、結果は厳しいものとなった。
開幕前、中国国民も大きな期待を寄せていたが、ふがいない結果が続くと徐々に批判が増加。「韓国に返品しろ」との声まで上がった。最終的にノーメダルが確定し、批判はさらに強まっている。
■【写真】「金を稼ぐときだけ中国人?」ミラノ五輪で銀メダルの“モデル選手”谷愛凌


