ユニフォームは新しいが、風景は見慣れたものだった。
元福岡ソフトバンクホークスの武田翔太である。
今季から韓国プロ野球・SSGランダースのマウンドを任されるベテラン右腕の表情には、余裕がにじんでいた。「新しいチームの一員として、地元で練習できるのは感慨深い。体の状態もまったく問題ない」と語った。
ソフトバンクとの練習試合を翌日に控えた23日、SSGの選手たちは朝から精力的に汗を流していた。1次キャンプで体を仕上げてきただけに、これからは実戦感覚の調整がポイントとなる。

SSGは今回のキャンプ地として、これまでの沖縄ではなく宮崎を選択。前身のSKワイバーンズ時代を含め、宮崎で2次キャンプを行うのは初めてだ。
偶然にも、宮崎県は武田の故郷である。2012年から長年ソフトバンクのユニフォームを着て戦ってきた右腕は、韓国球団のユニフォームをまとい、地元のグラウンドに立つ形となった。
練習後、取材に応じた武田は「不思議な感覚だ。地元だからか、より落ち着いて練習に集中できている」と笑顔を見せ、「最近ではないが、この球場で練習した経験もある」と振り返った。
ソフトバンクで通算66勝を挙げた右腕は、日本代表としても2度プレー。NPB通算217試合で66勝48敗、防御率3.33を記録している。その経験値が評価され、複数球団の関心の中でSSG入りを決断した。
「コンディションは本当に問題ないし、感覚もいい」と自信をのぞかせた武田。この日は妻と2人の子どもも練習場を訪れていた。「家族の幸せが一番」と語り、「1次キャンプ期間は離れていた。今は一緒にいられる時間を大切にしたい」と力を込めた。

韓国は地理的には近いとはいえ、海外挑戦は初めてだ。「言葉は通じないが、チームに自然と溶け込めるよう努力している。周囲も助けてくれている」と明かす。実際、若手投手のチェ・ミンジュンからは、フロリダでの1次キャンプの段階から変化球について助言を求められたという。
戦力外を経て、初の海外挑戦。日本のみならず、韓国の野球ファンも、その右腕に期待を寄せている。


