日本で憲法改正論議の進展を「期待する」との声が過半数を超えているなか、韓国では7割が改憲に賛成する結果が出た。
韓国の国会が実施した1万2000人規模の大規模世論調査の結果、韓国国民10人のうち7人(68.3%)が憲法改正に賛成すると回答し、改憲に対する国民的な共感が形成されていることが確認された。
特に、非常戒厳に対する国会の統制を強化すべきだ(77.5%)との回答が高く示された。
改憲の方式と時期については、合意可能な部分から段階的に改憲を推進し、実施時期は6月の地方選挙と同時に実施すべきだとの意見が最も多かった。
韓国では68.3%が改憲に賛成
韓国国会(国会議長ウ・ウォンシク)は2月22日、こうした内容を盛り込んだ「憲法改正に関する対国民世論調査」の結果を発表した。
今回の調査は、改憲に関して前例の少ない大規模かつ複合的な調査だ。国民1万人を対象としたオンライン調査と、2000人規模の対面インタビュー調査を併行して実施した。

これは、これまで改憲をめぐって実施されてきた1000~2000人規模の小規模世論調査とは異なり、全国的な水準で性別・年齢など標本の代表性を確保し、通常の電話世論調査では把握が難しい多数の詳細項目について回答を得るための手法だ。
今回の調査は、公信力の面でも既存の改憲世論調査とは差別化されている。国会事務処が発注し、世論調査専門機関である韓国ギャラップ調査研究所と、韓国の法学分野を代表する学術団体である韓国公法学会がコンソーシアムを組んで実施した。
また、設問の設計と解釈においては、調査専門家である政治学者・社会学者などで構成された諮問団を組織・運営し、専門性を高めた。
今回の事業を総括した韓国ギャラップ調査研究所は「本調査は、憲法改正というテーマを中心に行われた初の大規模調査だ」とし、「憲法改正というテーマが全国のすべての国民を代表できるよう配慮し、オンライン調査に加えて高齢層の代表性を高めるための対面調査を併行した」と伝えた。
続けて研究所は「設問設計の段階でも、世論調査機関だけでなく法律・政策・政治の専門家らが参加し、どちらか一方に偏らない客観的な質問票を開発するため最大限努力した」と明らかにした。
設問内容も従来と異なる構成となった。これまでの改憲世論調査は、主に一部の憲法条文や部分的な改憲内容を中心に行われてきたが、今回の調査は、①改憲の必要性、②改憲の方法と手続き、③推進時期、④主要議題全般に対する国民認識を総合的に確認する構成となっている。
まず今回の調査では、憲法の戒厳関連制度を補完し、国会の統制権を強化する方策について国民的共感が確認された。「戒厳宣布時に国会が承認しなければ自動的に無効とすべきだ」という意見に77.5%が賛成し、「国会の議決があれば戒厳が直ちに無効となるべきだ」という意見にも77.5%が賛成した。
改憲の必要性に対する国民的共感も確認された。回答者全体の68.3%が改憲に賛成し、その理由としては「社会的変化および新たな問題への対応の必要性」(70.4%)を最も多く挙げた。
改憲の方法としては、「合意可能な議題を中心とした段階的改憲」を支持する意見が69.5%に達した。段階的改憲を進める場合の時期としては「6月の地方選挙」(39.6%)が最も多く、改憲を主導する主体としては「国会」(37.2%)が最も多く挙げられた。
こうした改憲の必要性や方法・時期に関する意見は、国会が1月9日に発表した「憲法改正に関する専門家対象の深層インタビュー調査」の結果とも一致している。
当時の調査では、①改憲の緊急性と必要性、②国会および国会議長主導の推進体制の必要性、③地方選挙と改憲投票の同時実施および段階的改憲への支持が確認された。これら専門家調査と今回の対国民調査の結果を総合すると、専門家と一般国民の双方が改憲の必要性などについて共感を形成していると評価できる。
一方、今回の対国民調査では、改憲推進が可能な議題を把握するため、議題別の設問も実施され、その主な結果は次のとおりだ。
第一に、「憲法前文に歴史的な民主化運動を明記する案」については、賛成(59.8%)が反対(26.7%)を大きく上回った。賛成者に対して明記すべき民主化運動を尋ねた結果、「5・18民主化運動」(90.6%)、「6・10民主抗争」(73.9%)、「釜馬民主抗争」(58.2%)の順で賛成率が高かった。
第二に、「地方分権および均衡発展」に関連し、国家が地域間格差の解消と地域の均衡発展を推進する責任を憲法に明記する案に対して83.0%が賛成した。
第三に、「基本権」については、「生命権」(85.9%)、「安全権」(87.2%)、「個人情報自己決定権」(79.9%)を憲法に追加することに多数が賛成した。
第四に、「未来志向的改憲議題」として、気候危機への対応を含め、将来世代の利益を考慮した持続可能な国家運営原則を憲法に明記する案に74.8%が賛成した。現行憲法が科学技術の目的を「経済発展」と規定している点について、「国民生活の質の向上」を科学技術の目的に追加する案に84.1%が賛成した。科学技術の発展が人間の尊厳および基本権と調和すべきだという原則を憲法に明記する案にも85.7%が賛成した。
第五に、「望ましい大統領任期」に関しては、現行の「5年単任制維持」が41.0%、「4年連任制に賛成」が29.2%、「4年重任制に賛成」が26.8%となった。4年連任制と4年重任制の回答を合算すると、回答者の56.0%が4年の連・重任制方式を支持していることが確認された。
第六に、「大統領決選投票制の導入」については、賛成(54.6%)が反対(34.3%)を上回り、賛成理由としては「選挙結果の受容性」(52.5%)を挙げる回答が最も多かった。
今回の発表は、「憲法改正に関する対国民世論調査およびフォーカス・グループ・インタビュー(FGI)」事業のうち、量的調査結果を公開したものだ。現在、FGIが進行中であり、こうした質的調査を含めた総合的な結果を通じて、国民の改憲に対する認識をより正確に把握する予定だ。
なお、日本での憲法改正に関する数字を見ると、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2月14・15日に行った合同世論調査では、高市政権が憲法改正に向けた準備を進めることについて「賛成」が67.1%を占め、「反対」の25.2%を大きく上回った。
時事通信の2月の世論調査では、憲法改正の国会論議について、51.4%が進展を「期待する」と答えた。「期待しない」は23.1%、「どちらとも言えない・分からない」は25.5%だった。
日韓ともに憲法改正をめぐる議論への関心が高まっている状況だ。
■世界で最も「韓国に対する好感度」が高い国はどこか 日本は過去最高、その理由とは


