27日に本編最終回を迎えるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』から、30日よりスタートする次期作『風、薫る』へのヒロイン・バトンタッチセレモニーが開催された。
同イベントには、『ばけばけ』で主演を務めた髙石あかりと、『風、薫る』でダブル主演を務める見上愛、上坂樹里の3名が登壇し、作品への思いやエールを交わした。
約半年にわたる撮影を振り返り、髙石は「たくさんの方に携わっていただいて、『こんなにも愛されている作品ってあるんだろうか』と思うほど、全員が全力でこだわりをもって作った作品でした。そんな現場に携われて本当によかったですし、最後まで見てくださる皆様にその熱量が届けばいいなと思います」と感無量の面持ちで語った。

一方、これから放送を控える見上は、「撮影はすごく楽しくて、最初の会見の時に『いい現場をつくりたいです』と話した目標を、スタッフやキャストの皆さんがかなえようとしてくれています。いい作品を作ろうという思いはもちろん、現場が心穏やかでいられる場所であるように全員が努めてくれているので、そうした空気が詰まった作品がもうすぐ皆様のもとへ届くと思うと楽しみですし、少し緊張もしています」と現在の心境を明かした。続けて上坂も「毎日キャストの皆さんや温かいスタッフさんの優しさに包まれながら撮影しています。約半年がたち、いよいよ放送が近づいてきたこと、そして今日このバトンタッチ式を迎えたことで、一気に実感が湧いてきました。本当に夢のような時間だなと思います」と笑顔を見せた。
髙石から次期主演の2人へは、「見上さんがおっしゃった『現場の雰囲気』ですが、私自身もこの1年間、それに何度も支えられました。『風、薫る』もきっとすてきな作品になるのだろうなと感じています。今回の『ばけばけ』も現場の良さが前面に出ていた作品だと思うので、放送を楽しみにしています」と温かいエールが送られた。

見上から髙石へ「撮影中の、ずっと忘れないだろうなと思う瞬間やエピソードがあれば教えてください」と質問が飛ぶと、髙石は「皆さんとのお芝居で得られるものが多く、目を見ただけで鳥肌が立つような瞬間がたくさんありました。特にヘブン役のトミーさん(トミー・バストウ)と色んなシーンを撮るなかで、お互いが『トキ』と『ヘブン』として生きているからこそ、見せようとしないのに自然と湧き出てくるお芝居がどんどん増えていって。それがこのあと放送される終盤のシーンなのですが、より深いものが撮れていると思うので、ぜひ見ていただきたいです」と答えた。
さらに上坂からの「長期間の撮影にあたって楽しみにしていたことや、大事にしていたことを教えてください」という問いに対し、髙石は「私は1人の時間を大切にしていて、現場でも、途中でスタッフの皆さんが配慮してくださったのか、私だけのスペースみたいな場所を少しだけ作ってくださって、それだけでも全然違いました。あとは、お休みの時は1人で出かけたり散歩したりするだけでリフレッシュになるので、『役』と『自分』の間にいい意味で線を引くということが、ちょうどよかったなと思います」と自身のリフレッシュ法を明かした。

恒例のプレゼント交換では、『ばけばけ』でヘブンを演じたトミー・バストウがサプライズで駆けつけた。髙石から見上と上坂へは、ドラマの舞台・島根県松江市の「牡丹で染めたスカーフと機織りのスカーフ」、そして「出雲民芸紙で作った団扇」が贈られた。スカーフは松江市の花である牡丹で染めたピンク色と、劇中でトキの暮らしを支えていた機織りで紡がれた藍色の2種類。添えられた白帯には2人のイニシャルが刺繍されている。また、島根県産の手すき和紙「出雲民芸紙」を用いた団扇は、宍道湖の季節ごとの変化や湖面にうつる雲を表現したもので、2人のイメージカラーにそれぞれの名前が記された特注品だ。
プレゼントを受け取った見上は、「2人のイメージカラーにぴったりで、(役名の)直美ちゃんが頑張らないといけない時は、このうちわで応援しようと思います」とコメント。上坂も「直美という名前が入っていて本当にうれしいです。大事に使います」と喜びを口にした。
見上と上坂から髙石へは、「黒羽藍染と大関組紐の巾着」および「横浜スカーフ」が贈られた。巾着の産地である栃木県大田原市は、りんのモチーフとなった大関和の出身地であり、200年の歴史を持つ黒羽藍染は同県の指定伝統工芸品。見上が選んだという萌木色と紫色の組紐には、「高みを目指して元気に伸びる」という意味が込められている。そして横浜の教会で育った直美にちなんだ横浜スカーフは、開港後に生まれた地場産業である絹織物の最高水準の技術が詰まった逸品だ。
これを受け取った髙石は「チャームに『ばけばけ』と『風、薫る』と書かれていて、まさか2つの作品がひとつになったものをいただけるなんて思っていなかったので、すごくうれしいです。どちらの番組も時代背景が明治と近いので、それを感じられるスカーフというのも素敵ですね」と声を弾ませた。
セレモニーの最後に、髙石は「胸がいっぱいです。前作の今田さんからバトンをいただいた時のことを思い出して、だからこそいま、その重みをひしひしと感じています。受け取った時とは違う感覚で、バトンを渡す経験をさせていただけてうれしいです。とにかく『風、薫る』が楽しみすぎて、その私の気持ちがバトンに乗っていたらいいなと思います」と締めくくった。
バトンを託された見上は、「私たちは1人に対して2人で受け取っているので、物理的な重さは軽いはずなんですけど、それ以上にすごく重いものを受け取った気持ちになり、放送が始まるんだという実感がわいてきました。『ばけばけ』と『風、薫る』は時代がとても似ていて、おトキちゃんたちが生きていた時代のどこか違う場所で、りんと直美が生きていて、看護の道をひらいていったんだなと感じます。『ばけばけ』のファンの方にも、同作に思いをはせたまま『風、薫る』を見ていただけるのではないかと思います。しっかり次につなげられるように頑張ります」と力強く宣言。
上坂も「ついにバトンを受け取る日が来たということ、そしていま見上さんと一緒に受け取ることができてとてもうれしいです。歴代の皆様から受け継がれてきたこのバトンの重みを、肌で感じました。まもなく放送も始まり、撮影もまだまだ続きますが、この重みを忘れずに私も最後まで駆け抜けて、次につなげられるようにしっかりと頑張りたいと思います」と意気込みを語り、温かい雰囲気のなかセレモニーは幕を閉じた。





