いまのガールズグループは、節目のステージで少女時代を歌う。
その最新例が、IVEの『Genie』だった。
【写真】IVE、少女時代級の美脚3月21日と22日に仁川インスパイア・アリーナで行われたIVEの4度目のファンコンサートで、メンバーは航海士コンセプトの演出に続き、制服姿で『Genie』のカバーを披露した。
ファンコンサートという、グループの色やファンへのメッセージが色濃く出る場で、少女時代の代表曲が選ばれた意味は小さくない。「DIVE(IVEファン)が望めばすべてをかなえてあげる」というメッセージまで重ねられたこのステージは、単なる懐かしの選曲ではなく、いまのK-POPにおいて少女時代の楽曲がなお特別な位置にあることをあらためて印象づけた。
愛される少女時代の楽曲

実際、少女時代のカバーはIVEだけではない。
2025年7月にはHearts2Heartsが日本での大型音楽番組で『Gee』を披露し、さわやかでスポーティーな衣装と軽快なエネルギーで観客の反応を引き出した。2025年2月にはAtHeartがプレデビュー段階で『Into the New World』のカバー映像を公開し、熱量あるパフォーマンスで注目を集めた。
さらにBilllieは2024年の授賞式で『The Boys』をカバーし、原曲の魅力を生かしつつ、より切れ味のある動きとカリスマ性で会場を圧倒。CLASS:yも2023年、ホワイトデーに合わせて『Kissing You』のダンスカバーを公開している。

興味深いのは、カバーされているのが1曲ではないことだ。『Gee』『Genie』『Into the New World』『The Boys』『Kissing You』と、少女時代の楽曲群そのものがいまの後輩たちにとって参照点になっている。
『Gee』は明るさと大衆性を象徴するメガヒットであり、『Genie』はコンセプト消化力とステージ映えを問う定番曲だ。『Into the New World』は新人やこれから飛び立つグループの覚悟や出発と結びつきやすく、『The Boys』はスケール感とパフォーマンス力を見せるのにふさわしい。『Kissing You』は愛らしさと親しみやすさを前面に出せる初期代表曲だ。
つまり少女時代は、単に“昔すごかったグループ”なのではない。かわいさ、華やかさ、実力、カリスマ性、始まりの物語まで、ガールズグループに求められる複数の要素を、それぞれ代表曲として残しているのだ。
だからこそ、若いガールズグループが特別な場面で少女時代を選ぶ流れは続く。ファンコンサートでも、授賞式でも、プレデビューの自己紹介でも、少女時代の曲は成立する。後輩たちにとって少女時代は、単なる先輩ではなく、“ここを通れば強い”という一種の基準点になっているように見える。
脱退メンバーが歌い賛否
複雑なのは、ガールズグループが少女時代の曲を次々とカバーするなかで、少女時代唯一の脱退メンバーであるジェシカもまた、その曲を歌ったことだ。
今年1月、ジェシカはマレーシアでのソロコンサートで、『Into the New World』『Gee』『Genie』『The Boys』『Mr. Mr.』など少女時代のヒット曲をメドレーで披露した。脱退後、ジェシカが公式の舞台で少女時代の曲を歌ったのはこれが初めてだった。

10年ぶりにジェシカ本人の歌声で蘇った少女時代ナンバーに、懐かしさを覚えたファンもいた。「青春が詰まった曲を歌うのは当然だ」「久しぶりに聴いて胸が熱くなった」といった歓迎の声もあった。
だが、その反応は後輩グループのカバーのときとは明らかに違った。冷ややかな声も少なくなかったからだ。
「歌うのは勝手だが、批判も受け止めるべきだ」「チームを去ったのに、いまさら少女時代を利用するのか」「残っているメンバーへの配慮に欠ける」といった反応が出た。ジェシカが脱退に至った経緯や、その後に刊行した小説『Bright(ブライト)』、過去の発言などを踏まえ、なお複雑な感情を抱くファンが多いことも浮き彫りになった。
後輩たちが少女時代をカバーすれば、「やはりレジェンドだ」「名曲は色あせない」と歓迎される。ところが、かつてその中心にいた元メンバーが同じ曲を歌うと、今度は懐かしさだけでは済まされず、グループの歴史や脱退の記憶、ファンの感情まで一気に呼び起こしてしまう。
言い換えれば、少女時代の楽曲はただのヒット曲ではない。後輩にとっては受け継がれるべき“レジェンドのレパートリー”であり、ファンにとってはグループの歴史そのものだ。だからこそ誰が歌うかによって、同じ曲でも意味が変わる。これほど多層的な感情を呼び起こすこと自体、少女時代の存在がいまも特別であることを物語っている。

IVEが『Genie』を歌い、Hearts2Heartsが『Gee』を歌い、AtHeartが『Into the New World』を踊り、Billlieが『The Boys』で会場を沸かせる。その流れだけでも十分に、「やはり少女時代はすごい」と言えるだろう。だが、皮肉なことに、ジェシカが歌ったときに賛否が巻き起こったことで、その事実はかえって鮮明になった。
少女時代の曲は、いまもK-POPの中で生きている。世代を超えて参照され、なお感情を動かす“現在進行形のレジェンド”として。
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