俳優のキム・ヨンデが、満30歳という兵役期限ギリギリのタイミングで国防の義務を果たす決断を下した。
3月2日に30歳になったばかりの彼は、同年代のスターたちがすでに兵役を終えているなか俳優活動を続けてきたが、ついに4月、現役兵として入隊することになった。
キム・ヨンデはかねてより、国防の義務を果たしたいとメディアを通じて言及していたが、入営通知書の発送遅延により入隊時期が予想より遅れたことが知られている。
韓国における兵役義務は、いくら有名芸能人であろうと例外ではない。キャリアの最盛期に訪れる約1年半の「軍白期(軍入隊による空白期間)」は、多くの芸能人やアスリートにとって大きな決断を迫られる時間だ。そのため通常は20代前半や、より若い頃に済ませておくことが多く、30歳という節目での入隊はなかなかに珍しい。
しかし、第一線で活躍する有名人の中にも、30歳前後で入隊した例は少なくない。しかも彼らは、除隊後に人気を失速させるどころか、さらなる大きな成功を収めている。

その象徴的な存在が、BTSの最年長メンバーであるJIN(1992年12月4日生)だ。彼は2022年12月13日、30歳のタイミングで入隊した。当時、BTSの兵役問題は韓国国内で政治的議論にまで発展するほどの関心を集めていた。韓国では兵役延期は原則として満28歳までだが、文化勲章受章者などに限り満30歳まで延期できる制度があり、世界的功績を認められたBTSはこの制度の対象となった。
JINは期限を最大限に活用して活動を続けた後、自ら延期を取り消して入隊。陸軍第5歩兵師団の新兵教育隊助教として模範的な軍生活を送り、2024年に除隊した。その後の爆発的な人気ぶりは、改めて語るまでもないだろう。
俳優の枠では、キム・スヒョン(1988年2月16日生)も同様だ。彼は2017年10月23日、29歳で入隊した。彼のケースが特別なのは、一度は現役兵ではなく代替服務(社会服務要員)の判定を受けながら、自ら現役入隊を志願した点にある。幼少期の心臓疾患により、20歳の頃に受けた身体検査では現役判定を受けられなかったが、徹底した健康管理と再検査によって現役兵としての入隊を実現させた。
除隊後の活躍を見れば、彼の人気が衰えたとは到底言えない。2020年の主演作『サイコだけど大丈夫』は彼の新たな代表作となり、2024年には『涙の女王』でトップスターの地位を不動のものにしている。なお、直近では私生活を巡る予期せぬ騒動で世論の厳しい目に晒される場面もあったが、彼が長いキャリアで培った演技力への信頼は、今なお第一線に留まらせており、復活を望む声は絶えない。

また、韓流スターの代表格であるイ・ミンホ(1987年6月22日生)も、30歳を目前にした2017年5月12日に兵役に就いた。彼の場合、過去の交通事故による後遺症の影響から社会服務要員として服務することになった。人気絶頂期における約2年間の空白は決して小さくなかったが、除隊後はドラマ『ザ・キング: 永遠の君主』やApple TV+シリーズ『Pachinko パチンコ』などで新たな魅力を見せた。年齢を重ねてから入隊したことで、若手スターから成熟した俳優へとイメージを広げた好例と言える。
かつて韓国芸能界では、30歳前後での入隊は“キャリアの断絶”になるのではないかと恐れられてきた。だが近年は、誠実に兵役を終えることが社会的な信頼度を高め、除隊後の活動の追い風になるケースも多い。
キム・ヨンデは入隊発表に際し、「軍隊から帰ってきたらオーディションを受けて、新人のように情熱的に生きていきたい」と語っている。
約1年半の軍生活を経て、俳優としてどのような姿で帰ってくるのか。予定されている2027年10月の除隊時には、より成熟したキム・ヨンデの姿を見られることだろう。


