「結婚も考えるんじゃないの」「妊娠可能な時期も考えないと」
ガールズグループRed Velvetのアイリーン(34)が、88歳のベテラン女優キム・ヨンオクの率直な言葉に思わず言葉を詰まらせた。
アイリーンは「いつかはするだろうが、今ではない」と笑い混じりにかわしたが、このやり取りが目を引いたのは、30代女性アイドルに向けられる視線がそのまま表れていたからだ。
しかもこのタイミングでアイリーンは、35歳になる誕生日の翌日である3月30日に、1stフルアルバム『Biggest Fan』をリリースする現役バリバリのソロ活動期にある。そんな時期に結婚や出産の話が入り込んだ構図は、いまのK-POPの変化と、世間の感覚のズレを象徴しているというのは大げさだろうか。

第一線で活躍するアイドルも30代に
そもそもK-POPで30代女性アイドルは、もはや珍しい存在ではない。
今年30歳を迎える1996年生まれの女性アイドルとしては、アイリーンと同じRed Velvetのジョイをはじめ、BLACKPINKのジェニー、TWICEのサナ、モモ、ジョンヨン、Kep1erのチェ・ユジンなど、第一線で活躍する人も多い。
もはや「30歳は始まりにすぎない」という表現が出ているほど、K-POPアイドルの活動寿命は明らかに長くなっている。昔のように“アイドルは若さの一瞬を売る職業”とは言い切れない時代になり、30代でもグループを続け、ソロを出し、広告やバラエティでも第一線に立つことが普通になってきた。


それでも、見る側の感覚はそこまで更新されていないのかもしれない。
2025年3月に調査された韓国リサーチによる結婚認識調査によると、理想の結婚年齢は女性で「30.1歳」(男性は32.6歳)、実際の初婚年齢は「31.6歳」(男性は33.9歳)だった。つまり、30代前半の女性に「そろそろ結婚は」と声が向く空気は、芸能界だけの特殊事情ではなく、韓国社会全体の感覚ともつながっている。
アイリーンのような30代女性アイドルが結婚や出産の話題を振られやすいのは、彼女がアイドルだからというより、仕事の第一線にいてもなお“結婚適齢期の女性”として見られやすいからといえる。
実際、この種の圧力は女性だけの話でもない。BTSのRMは昨年10月、ライブ配信で「もう僕も32歳(数え年)になった」とし、結婚について語ったことがある。

彼は「今の社会では、結婚の問題に追われたり、現実的なプレッシャーを感じたりすることが多い。特に女性は、子どもやキャリアなど様々な理由で社会やメディアから負担を感じることが多いようだ」とした上で、「ただ、それぞれが自分のやり方で生きればいい。正解はないと思う」と率直な考えを述べ、結婚や親になることを当然視する空気に一石を投じた。
RMの発言が話題になったこと自体、韓国では依然として「ある年齢になれば結婚を考えるべき」という圧力が根強いことの裏返しでもある。だが、女性アイドルの場合はそこにさらに、若さや美しさ、ファンダムとの関係、そして出産可能年齢といった話まで一気に重なりやすい。だから「結婚はまだ?」は、男性スター以上に重く響く。
結局のところ、30代でもトップで活動する女性アイドルが当たり前になったが、そこへ向けられる人生観だけは昔のまま残っているということだろう。アイリーンが見せた一瞬の苦笑いは、単なる照れではなく、仕事の最前線にいる女性アイドルがなお私生活の予定まで問われてしまう現実を映していたように見える。
K-POPアイドルの寿命は延びた。だが、アイドルを眺める側の結婚観は、まだそこに追いついていないのかもしれない。
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