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なぜ今、バーチャルアイドルなのか 飽和したK-POP市場で支持される理由

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なぜ今、バーチャルアイドルなのか 飽和したK-POP市場で支持される理由
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K-POP市場では、新人アイドルが雨後の筍のように現れる。

それなのに、いま存在感を強めているのは、現実の新人ではなく“バーチャルアイドル”だ。

【画像】最も人気の高いバーチャルアイドルPLAVEとは?

象徴的な動きがある。5人組バーチャルガールズグループOWIS(オーウィス)が、3月26日にMnetの音楽番組『エムカウントダウン』でデビュー曲『MUSEUM』のステージを初披露することだ。

音源とミュージックビデオを公開したばかりにもかかわらず、すでに歌唱力や音楽性への評価が集まり、アニメ映画のようなミュージックビデオまで話題になっている。しかも、デビュー前から世界観を前面に押し出し、ザ・現代ソウルではメディア展示やMD販売を含むポップアップまで展開している。

普通なら「また新人グループが出てきた」で終わりかねない話が、バーチャルとなると違った注目を集める。

OWIS
(画像提供=all my anecdotes)OWIS

なぜバーチャルアイドルが人気なのか

もちろん、バーチャルアイドルは突然生まれたわけではない。韓国では1998年、国内初のサイバー歌手アダムが登場している。ただ当時は、外見を自然に表現する技術も、ファンと深くつながる仕組みも足りなかった。

だが今は違う。表情や細かな身ぶりまでかなり精密に再現できるようになり、ライブ配信やファンプラットフォームを通じて日常的な交流も可能になった。加えて、アバターやメタバースに違和感の少ないデジタルネイティブ世代がファンの中心にいる。つまり、発想はおもしろいが「時代が早すぎた」ものが、今はようやく受け皿のある市場に乗ったのだ。

そして、いまのバーチャルアイドル人気を理解するうえで重要なのは、単なる“技術の珍しさ”ではない。むしろ、K-POPがあまりにも競争過多になったからこそ、バーチャルが強く見える面がある。

新人グループが次々とデビューする市場では、後発ほど「何が違うのか」を最初から明確に示さなければならない。その点、バーチャルアイドルは世界観やキャラクター性で、デビュー前から差別化しやすい。

SKINZ
(画像=Bridge Enter)SKINZ

前出のOWISも「Only When I Sleep」というグループ名のとおり、「夢」と「願い」を軸にした独自の設定を前面に出している。27世紀の夢の世界「アルケル」を舞台に、メンバーたちがそれぞれの夢を音楽で描いていくという設定は、普通の新人グループよりも強く“物語”を感じさせる。

この“物語の濃さ”は、いまのファンがアイドルに求めるものとも噛み合っている。韓国メディア『TV Daily』の取材に答えたアイドル企画会社の関係者は、「いまやファンは、自分が好きな誰かの“存在”そのものだけを見ているわけではない。物語や相互作用の濃さのほうが、より重要になっている」と話している。

つまり、リアルかバーチャルかよりも、「推したくなる理由」がどれだけ丁寧に設計されているかのほうが重要になっているのだ。

バーチャルアイドルは、キャラクター、ストーリー、音楽、コミュニケーションを一体で設計しやすく、その分、没入感を生みやすい。そのため、ファンがバーチャルアイドルにハマる過程も、実はそこまで特別ではない。

PLAVE
(画像提供=VLAST)PLAVE

韓国メディア『WOMAN DONA』にバーチャルアイドルについて寄稿した女性は、自分がバーチャルボーイズグループPLAVE(プレイブ)にハマった経緯について、「最初からバーチャルを好きになろうとしたのではなく、好きになった相手がたまたまバーチャルだった」と書いている。偶然聴いたカバー曲が良くて、他の動画を探し、ライブ配信を見ているうちに、気づけば夢中になっていたという。

これは、普通のアイドルにハマる流れと大きくは変わらないだろう。結局、バーチャルだから特別なのではなく、音楽やキャラクター、関係性に惹かれていくプロセスは従来の“推し活”と地続きなのだ。

さらにいえば、バーチャルアイドルはライブでも決して弱くない。むしろ、リアルでは不可能な演出を武器にしている。

代表例がPLAVEだ。2025年11月、PLAVEは高尺(コチョク)スカイドームで単独公演を開催し、2日間で約3万7000人を動員した。しかも、コンサートではCGによる瞬間的な衣装チェンジや、現実のステージでは難しい幻想的な演出が可能で、ファンにとっては“現実の代用品”ではなく、バーチャルならではのライブ体験として受け止められている。

もちろん、課題がないわけではない。いまだに「本当にアイドルと呼べるのか」「AIと何が違うのか」といった疑問は根強い。だが、少なくとも現在の主要なバーチャルアイドルは、AIが自動生成した存在ではなく、背後に実際の人がいて、歌い、踊り、配信し、ファンと交流している。

ISEGYE IDOL
(画像=ISEGYE IDOL公式X)

その意味では、バーチャルは“偽物”というより、実在のアーティストが別の姿を借りて活動する新しい形式と見るほうが正確だろう。

結局のところ、バーチャルアイドルが支持される理由は、飽和したK-POP市場のなかで、より強い世界観、より深い没入感、より自由な演出を備えた存在として、いまのファンが自然に惹かれているからだ。OWISのような新しいグループがデビューと同時に注目されるのも、その延長線上にある。

K-POPアイドルが増えすぎた時代、バーチャルアイドルは“珍しいから”ではなく、いまの時代に“より適応した”アイドルの形のひとつとして、支持を集め始めているのだ。

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《スポーツソウル日本版》

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