NewJeansの『Ditto』がSpotifyで9億回再生を突破した。2022年12月に公開された曲が、いまなお聴かれ続けている。
本来ならグループの底力と長期的な影響力を示す快挙として、素直に祝福されるべきニュースだろう。
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だが、いまのNewJeansに関しては、この数字がむしろ少し切なく響く。記録は伸び続け、曲はまだ生きている。にもかかわらず、グループの現在地があまりにも不透明だからだ。
止まったままのNewJeansの時間
そもそも『Ditto』は、NewJeansにとって特別な曲といえるかもしれない。

公開直後から熱狂的な支持を集め、米ビルボードのメインソングチャート「HOT 100」、英オフィシャル「シングルトップ100」に進出。デビューからわずか6カ月で成し遂げたその記録は、当時のK-POPシーンでも衝撃的だった。
韓国国内では2023年のMelon年間チャート1位を獲得し、日本でも長く支持され、季節が巡るたびに「Dittoの季節が来た」と呼ばれるほど、独特の余韻を持つ一曲として定着していった。
今回、その『Ditto』がSpotifyで再生回数9億回を超えた。しかもNewJeansは、『OMG』も9億回を突破しており、『Super Shy』『Hype Boy』『Attention』なども含め、発表曲の大半が億単位で再生されている。グループ全体のSpotify累計再生数は74億回を超えた。
数字を見る限り、NewJeansという名前は今もなお存在感を誇っている。だからこそ、今回の快挙が逆に切なく映る。これほど楽曲が聴かれ続けているのに、グループとしての時間が前に進んでいないからだ。

現在のNewJeansをめぐっては、所属事務所ADORとメンバー側を取り巻く状況が、むしろ複雑さを増している。
ADORが“脱退メンバー”となったダニエルとミン・ヒジン前代表を相手取り、430億ウォン(約43億円)台の損害賠償を求める訴訟を進めるなかで、3月26日には弁論準備期日が開かれ、法廷では今後の審理日程をめぐる攻防が続いた。
ダニエル側は「最も輝く時期に重大な被害を受ける」として迅速な審理を求めたが、ADOR側は通常の進行を主張。ここには、単なる契約トラブルでは済まない消耗戦の長さがにじんでいる。
しかも、ファンの願いと現実もすれ違い始めている。3月には一部ファンがHYBE本社前でトラックデモを行い、メンバー5人による「完全体」の活動を求めた。だが、その“5人”を前提にした願いは、すでに現実ときれいには重ならない。
ヘリン、ヘイン、ハニはADORへ復帰し、ダニエルは契約解除されて訴訟を続けており、ミンジはいまだに結論が出ていない。冷徹に整理すれば、活動形態は「3人で進むのか」「4人で進むのか」という局面に入りつつある。しかし昨年12月のダニエル契約解除から4カ月にわたって、なんら変化がないのが現実だ。

そう考えると、『Ditto』の9億回突破は、NewJeansの根強い支持を示すニュースであると同時に、いまの停滞を逆に浮かび上がらせる数字でもある。曲は止まっていない。リスナーは離れていない。だが、グループをめぐる時間だけが、どこかで引っかかったまま動けずにいる。
その一方で、公式の動きそのものは淡々と続いている。4月2日には、NewJeansの日本公式サイトがリニューアルの案内を発表し、ファンクラブ運営やコンテンツ提供の形も更新されると知らせた。
『Ditto』の9億回突破は大きな記録だが、現状では、そんなグループが前に進めずにいることを、かえって鮮明に見せてしまう。数字は伸びても、グループの時間は止まったまま。そう感じさせるからこそ、この快挙は少し切なく響く。
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