タイの首都バンコクには、近代的なビルが立ち並ぶ一方で、100年以上の歴史を刻み続けてきた老舗レストランが数多く存在する。創業から100年も続く店は、それだけ味が良く、地元の人に愛されている証拠と語るのは、YouTubeチャンネル『街かどタイ料理』の管理人・MSDさん。

現在バンコクに在住するMSDさんは、現地の食文化を深く掘り下げる動画を発信している。有名店やガイドブックにでてくる店よりも、その名の通り地元密着で観光客にはあまり知られていない屋台などの店が紹介されているのが特徴。バンコク通でも、思わずこんなところにこの店が!と行きたくなるようなところが多い。
今回は、そんなMSDさんが紹介した「創業100年超えの老舗レストラン」の中から、歴史の重み・アクセスの良さ・話題性のすべてを兼ね備えた厳選の3軒を紹介する。
1. 鴨肉の香りが食欲をそそる!サパーンタクシンの名店『プラジャック・ペットヤーン』

BTSサパーンタクシン駅近くにある『プラジャック・ペットヤーン』は、ローストダックで全国的な知名度を誇る、創業100年超の有名店。

この店があるサパーンタクシンエリアは、BTSの駅前に位置しチャオプラヤー川を渡る船の要所でもあるため、旅行者にとって非常にアクセスが良いのが特徴。古き良き下町の雰囲気が色濃く残っており、老舗が点在するバンコク有数の食べ歩きスポットとしても知られている。


MSDさんが「これがお得で嬉しい」と絶賛するのは、カニの身がふんだんに入った「バミープーヘーン(85バーツ)」だ。手頃な価格ながらカニ1匹分を思わせるボリューム感があり、食欲をそそる黄色のバミー麺も「かなりいい食感」とクオリティを高く評価。

看板メニューの「チェーポー(190バーツ)」は、メインの鴨肉に加え、中国風ハム、豚肉が贅沢に盛り付けられた一皿。甘辛いソースが染みた肉の香ばしさは、まさに安定の味わいだ。

MSDさんは「バミープーヘーン」の上に、この「チェーポー」をスープごとかけて実食。「これがしたかった。やはり美味しい!」と、その変わらぬ味に改めて太鼓判を押した。
2. ラーマ5世も愛した伝説のサクサク麺!『ミークローブジンリー』

今回の老舗特集の中で特におすすめするのが、『ミークローブ・ジンリー』だ。タラートプルー市場のほど近くにあるこの名店は、かつてのタイ国王・ラーマ5世も足繁く通ったという由緒ある歴史を持ち、2023年のミシュラン・ビブグルマンにも選出されている。

看板メニューの「ミークローブ(200バーツ)」は、パリパリの揚げ麺に甘酸っぱいタマリンドソースを絡めた料理だが、今ではタイでもなかなかお目にかかれない珍しい一皿とのこと。食べ進める際は、ニラやもやしなどのトッピング野菜もしっかり混ぜ合わせるのがポイント。

MSDさんは「味わったことがないくらいのサクサク・パリパリ感。それでいて口の中がトゲトゲしない」と驚きを語る。「やはり抜群に美味しい。上品な味」と、その繊細な食感に深く感銘を受け、「ここでしか味わえない唯一無二の味」と特別感を口にした。


他に、チリソースでいただく「オースアン(牡蠣の卵とじ)(200バーツ)」も注文。小ぶりの牡蠣がふんだんに入っており、カリッと焼かれた生地との相性も抜群。
全体的に200バーツ前後のメニューが多いため、2~3人でシェアして味わうのがおすすめ。どの料理も優しい味付けで、日本人でも親しみやすいはず。王室ゆかりの由緒ある歴史と、ここでしか出会えない極上の味との組み合わせは、老舗ならではの体験と言えるだろう。
3. お洒落ストリートで味わう“映えグルメ” 職人仕込みの肉まん『グーロンパオ』

今、バンコクの若者たちの間で「映えスポット」として注目を集めているのがソンワート通りだ。MSDさんも「この通りだけで特集を組みたい」と語るほどお洒落なエリアに、100年以上続く肉まんの名店『グーロンパオ』の支店が軒を構えている。ここでは、老舗が守り続けてきた伝統の味を、モダンで洗練された雰囲気の中で伝統の味を楽しむことができる。


そんなエリアで堪能したのは、お茶と4種類のミニ肉まんがセットになった「スペシャルセット(160バーツ)」。通常はシューマイとのセットだが、肉まんのセットに変更することも可能となっている。


セットの内容は、ニンニクが香る豚肉のつみれ、黒ゴマ、スターアニス(八角)がアクセントのチャーシュー・ムーデーン、そしてキノコ入りの豚まんの4種類。日本の肉まんとはひと味違う、タイならではの豊かな風味を気軽に楽しめるのが魅力だ。
トレンドの最先端を体感しながらも、歴史ある職人の味を気軽に楽しめる、今まさに今注目の一軒だ。


バンコクの100年老舗レストランを巡ったMSDさんは、「どのお店も気さくで、肩肘張らずに過ごせる場所が多かった。良心的な価格で伝統のメニューを楽しめるのが魅力」と振り返る。バンコクを訪れた際には、旅行のプランに合わせてぜひ自分だけのお気に入りを見つけてほしい。
次回の記事では、タイ人のソウルフードであり日本でも人気の高い「ガパオライス」を大特集。近年バンコクで急増している専門店の中から、現地生活の長いMSDさんが推す「本当に行くべき名店」を紹介する。





